2001 Fiscal Year Annual Research Report
疾患遺伝子と連鎖する牛優良形質遺伝子の探索と分子育種への実用化
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13556044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 睦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00183179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012016)
今川 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00291956)
小野 憲一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
印牧 美佐生 (社)家畜改良事業団, 家畜改良技術研究所, 遺伝子検査部長(研究職)
小林 正人 山形県農業研究研修センター, 畜産研究部・先端技術開発科, 主任研究員
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Keywords | 遺伝性疾患 / 肉質 / 牛 / バンド3欠損症 / パラセリン-1欠損症 / 優良形質 / 赤血球 / 腎臓 |
Research Abstract |
●肉質に関する形質とバンド3欠損症原因遺伝子異常保因との関連性について、約300頭の肉質データを解析した。その結果、脂肪酸不飽和度との関連性が示唆されたが明確な相関性は認められなかった。ただし、バンド3遺伝子の近傍には脂肪酸代謝関連酵素の存在がみられることから、今後この酵素遺伝子と肉質の関連性について具体的な解析が必要と考えられる。 ●パラセリン-1(PCLN-1)欠損症(腎尿細管形成不全症)の原因遺伝子異常、あるいはその病態と肉質の関連性を明らかにするための基礎検討として、PCLN-1分子の機能解析を試みた。牛腎からPCLN-1 cDNAを単離し、プラスミドベクター、あるいはレトロウイルスベクターを用いてMDCK細胞、ならびにL細胞での発現系を構築し、PCLN-1、ならびにEGFP-PCLN-1の局在と傍細胞輸送への影響を、蛍光抗体法、電気抵抗測定で解析した。MDCK細胞では、PCLN-1、ならびにEGFP-PCLN-1はともに細胞膜の細胞同士が隣接する部位、特にタイトジャンクションに限局してその発現がみられた。その発現に伴い、培養細胞モノレイヤーの電気抵抗値は増加した。傍細胞輸送への影響は蛍光標識高分子の透過性においても認められた。したがって、PCLN-1がタイトジャンクションでの物質透過性を制御する分子であることが明らかになった。タイトジャンクションの形成における役割については、引き続きL細胞を用いて検討している。 ●バンド3欠損症におけるヘテロ保因と肉質の関連性を明らかにする基礎として、培養細胞における安定発現系を用い、変異バンド3分子bebRXが正常バンド3bebWTの発現に対してドミナントネガティブに作用し、その発現を低下させることを明らかにした。腎におけるバンド3機能低下についての検討を継続している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sato, K, 8名: "Cloning and characterization of excitatory amino acid transporters GLT-1 and EAAC1 in canine brain"Journal of Veterinary Medical Science. 63. 997-1002 (2001)
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[Publications] Matsuki, N 3名: "Catabolism of cytoplasmic and mitochondrial adenosine nucleotides in C_2C_<12> skeletal myotube under chemical hypoxia"Journal of Veterinary Medical Science. (in press). (2002)
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[Publications] Boffi, F 6名: "Effects of chemical ischemia on purine nucleotides, free radical generation, lipid peroxidation and intracellular calcium levels in C2C12 myotube derived from mouse myocytes"Journal of Veterinary Medical Science. (in press). (2002)