2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓弁膜症に対する耐久性ある抗血栓性生体弁の開発と臨床応用
Project/Area Number |
13556053
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山根 義久 東京農工大学, 農学部, 教授 (50262225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野一色 泰晴 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)
町田 登 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20219364)
岩崎 利郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (50262754)
富澤 康子 東京女子医科大学, 日本心臓血圧研究所, 助手 (00159047)
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Keywords | 僧帽弁閉鎖不全症 / 生体弁 / 体外循環 / 弁置換術 |
Research Abstract |
本研究の目的は、動物の高齢化とともにその発生が急増している犬の獲得性心疾患の1つである心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)に対する外科的根治術を確立することにある。そのためには先ず高価な機械弁より生体弁に着目し、豚大動脈弁より従来より問題となっていた耐久性、抗血栓性を賦与した生体弁を試作し、手術方法の確立と併せ弁置換後長期にわたり、経過観察をした。生体弁の作成に際しては、先ず抗血栓性は解決したものゝ耐久性に問題があり、生体弁の処理工程を改善した。具体的にはデナコール処理と、グルタールアルデヒド処理の両者を組み合わせ、柔軟性を保持しつゝ、かつ耐久性ある抗血栓性の生体弁の作成に成功した。現在、第4世代弁を試作し、実験に供しているが、2年間という長期生存にも耐用しうる生体弁の開発が可能となってきた。また弁置換術の手術術式にも試行錯誤を繰り返し、現在では体外循環下開心術下に確実、安全に弁置換が可能となった。 今後は小型犬に多発する僧帽弁閉鎖不全症に適したサイズの生体弁を試作し、臨床応用を計画中である。本実験研究によりコンパニオンアニマルの多発疾患である僧帽弁閉鎖不全症に対し1つの新しい外科的手術法が確立された。
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