2001 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経活動の長期的解析に応用できる生体電極およびテレーメーター送受信器の開発
Project/Area Number |
13557006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松川 寛二 広島大学, 医学部, 教授 (90165788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米沢 良治 広島工業大学, 教授 (50087988)
村田 潤 広島大学, 医学部, 助手 (00304428)
清水 順市 広島大学, 医学部, 助教授 (10126584)
関 康夫 日本ケーブルシステム株式会社, 研究開発グループ, 次長(研究職)
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Keywords | マイクロ生体電極 / 交感神経活動 / 長期間慢性記録 / 導電性高分子ゴム / 埋め込みテレメーター / 血圧調節 / 意識動物 / 自律神経系 |
Research Abstract |
交感神経系は循環器系、泌尿器系、消化器系、運動系、内分泌系など異なる生理機能を持つ末梢臓器群に広く分布する。本研究の目的は自由行動小動物から交感神経活動群を安定かつ長期間記録できるように微細な交感神経束に合わせた1mm^3サイズの超小型生体マイクロ電極を開発することそして多チャンネルの交感神経活動群を遠隔計測できるような体内埋め込み型テレメーターを開発し意識動物の異なる生理機能を持つ複数の臓器から交換神経活動を多元遠隔計測することである。今年度は、小動物(マウス、ラット、ウサギ、ネコ等)の末梢臓器に分布する交感神経活動群を長期間安定に記録するため、超小型生体マイクロ電極を製作した。 (1)超小型生体電極の開発 容積約1mm^3である超小型生体電極の検出部を導電性高分子ゴムで構成し、その間を非導電性ゴムで絶縁した。高分子射出成形法を用いて、金型から生体電極を高精度で成型加工した。この電極サイズは従来の電極の30分の1である。金属リード線を電極部に接着後、電極外表面を絶縁性ポリウレタンまたはシリコンで被覆した。 (2)超小型生体電極の特性試験と麻酔動物の交感神経活動記録への応用 開発した生体電極インピーダンスの周波数特性を生理食塩水中で計測した。交感神経活動の信号周波数帯域(50Hz-5kHz)において電極インピーダンスは約10kΩと前置増幅器の入力インピーダンスに比べて低かった。また長期間(約1ヶ月程度)生理食塩水中に生体電極を浸しておいてもインピーダンス特性や形状は変化しなかったので、開発した生体電極は長期間の体内埋め込みに応用可能である。麻酔ラットの腎臓交感神経に試作した生体マイクロ電極を装着し、交感神経活動を記録できるか否かを調べた。電極の装着方法、電気的ノイズの大きさおよびS/N比に関して既存のコラーゲン電極や金属電極と比較検討した。その結果、電極抵抗やノイズはやや大きかったが、交感神経活動をS/N比良く計測することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tsuchimochi: "New microelectrodes for recording sympathetic nerve activity in conscious animals"Japanese Journal of Physiology. 52(In press). (2002)
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[Publications] K.Matsukawa: "Sympathetic cholinergic vasodilatation of skeletal muscle small arteries"Japanese Journal of Pharmacology. 88. 14-18 (2002)
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[Publications] K.Matsukawa: "Reflex responses in plasma catecholamines caused by static contraction of skeletal muscle"Japanese Journal of Physiology. 51. 591-597 (2001)
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[Publications] 松川寛二: "新運動生理学:循環「自律神経と心腎臓」"真興交易. 10 (2001)