2001 Fiscal Year Annual Research Report
合成ペプチドによるタイトジャンクションの制御:新しいドラッグデリバリー法の開発
Project/Area Number |
13557013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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Keywords | タイトジャンクション / ドラッグデリバリー / クローディン / オクルディン / ノックアウトマウス / 皮膚 / バリアー / ペプチド |
Research Abstract |
クローディンの個体レベルでの機能解析の第一歩として、クローディン-1ノックアウトマウスを作製した。このマウスは、一見正常に生まれてくるが、すべて生後一日以内に特徴的な皺のいった皮膚を示すようになり死亡した。このような皮膚の特徴から、皮膚バリアーが損なわれている可能性を考え、種々の検討を行なったところ、確かにこれらのマウスでは皮膚バリアーが低下して脱水で死亡することが明らかになった。しかし、これまで皮膚のような重層扁平上皮にはTJが存在しないとされており、どのようにしてクローディン-1が皮膚バリアーに関わっているかが問題となった。 そこで、オクルディン抗体やクローディン抗体を用いて皮膚のTJを詳細に調べたところ、驚いたことに、表面に近い1-2層の細胞によく発達したクローディン-1を主体としたTJネットワークが存在することが分かった。また、詳細なトレーサー実験により、我々のノックアウトマウスでは、このTJが機能的に損なわれていることも分かった。以上の観察は、クローディンから構成されるTJがこれまで言われていたような単層上皮のバリアーだけでなく、重層上皮のバリアーにも中心的な役割を果たしていることを直接示しており、多細胞生物のホメオスタシス維持機構を考える上でもインパクトが大きい。 したがって、本研究で提唱しているように、種々の合成ペプチドでタイトジャンクションのバリアーを人為的かつ一時的に破壊することができれば、このノックアウトマウスと同様の状態を一時的に作ることができることになり、全く新しいドラッグデリバリー法が開発できると期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Furuse, M.: "Claudin-based tight junctions are Crucial for the mammalian epidermal barrier : A lesson from claudin-1-deficient mice"Journal of Cell Biology. (印刷中). (2002)
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[Publications] Hamazaki, Y.: "Malti-PDZ-containing protein 1 (MOPP1) is concentrated at tight junctions through its possible in interaction with claudin-1 and JAM"Journal of Biological Chemistry. 277. 455-461 (2002)
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[Publications] Itoh, M.: "Junctional adhesion molecule (JAM) binds to PAR-3 : a possible me chanism for the recruitment of PAR-3 to tight junctions"Journal of Cell Biology. 154. 491-497 (2001)
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[Publications] Mimori-Kiyosue, Y.: "Where is APC going?"Journal of Cell Biology. 154. 1105-1109 (2001)
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[Publications] Furuse, M.: "Conversion of Zonula Occludentes from tight to leaky strand type by introducing claudin-2 into MPCR I cells"Journal of Cell Biology. 153. 263-272 (2001)
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[Publications] Tsukita, S.: "Multi-functional strands in tight junctions"Nature Review of molecular Cell Biology. 2. 285-293 (2001)