2001 Fiscal Year Annual Research Report
カラムスイッチング・イオンクロマトグラフィーによる無機薬毒物の迅速スクリーニング
Project/Area Number |
13557037
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石井 晃 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30252175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 暁鵬 昭和大学, 医学部, 講師 (90245829)
熊澤 武志 昭和大学, 医学部, 助教授 (00186470)
勝又 義直 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30109326)
水野 靖 愛知県科捜研, 化学鑑定室, 研究官
佐野 敏幸 愛知県科捜研, 化学鑑定室, 研究官
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Keywords | イオンクロマトグラフィー / アジ化ナトリウム / 亜ヒ酸 |
Research Abstract |
ヒ素、青酸化合物、アジ化ナトリウム等の無機薬毒物は、この数年に頻発した薬毒物中毒事例において、多数の死傷者を出している。特に、不特定多数への無差別の毒物混入事件が多いことは憂慮される。イオンクロマトグラフィー(IC)は、イオン交換樹脂を充填したカラムにより陽・陰イオンを分離し、電気伝導度検出器や電気化学検出器等で検出する方法である。ICは、無機薬毒物の同定・定量に用いられる蛍光X線分析や、誘導結合プラズマ質量分析法に比べると操作性は簡便である。しかしICは、これまでは環境試料の分析に主に使用されており、血清等の生体試料の分析には煩雑な前処理が必要である。当研究で、我々は生体試料を簡便にICに導入するためのインターフェースを開発し、最終的には体液中からの無機薬毒物の抽出をオンライン化し、カラムスイッチングで直接ICへ導入する装置を構築する予定である。 本年度は、対象薬物として、アジ化ナトリウムと亜ヒ酸を中心として分離条件の設定を開始した。まずICのスケールダウンを行い、ミクロボアないしセミミクロのカラムを用いてより少ない注入量で分析が可能となるようにシステムの変更を行った。アジ化イオンについては電気伝導度検出器、亜ヒ酸については電気化学検出器と異なる検出器が必要で、一斉分析は困難なため、次の分離条件の設定は、それぞれの化合物で独立に行うことにした。例えば、体液中からアジ化イオンを検出する場合、体液中の主な陰イオンである塩素イオンとの分離が問題となる。アジ化イオンを分離するための移動相は、水酸化ナトリウム溶液が汎用されているが、現在、pH及びイオン強度を変化させ、他の陰イオンの保持時間の差を比較して、分離条件の詳細を検討中である。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] A.Ishii: "Sensitive determination of pethidine in body fluids by surface ionization organic mass spectrometry"Journal of Chromatography B. 758. 117-121 (2001)
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[Publications] R.Kurihara: "Simple extraction of gamma-hydroxybutyrate in human whole blood by headspace solid-phase microextraction"Jpn. J. Forensic Toxicol. 19. 38-45 (2001)
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[Publications] L.Yao: "Dopamine D2 receptor inhibition of adenylyl cyclase is abolished by acute ethanol but restored after chronic ethanol exposure(tolerance)"Journal of Pharmacol. Exp. Therap.. 298. 833-839 (2001)
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[Publications] T.Sano: "Sensitive determination of midazolam and identification of its two metabolites in human body fluids by column-switching capillary high-performance liquid chromatography/fast atom bombardment-mass spectrometry"Legal Medicine. 3. 149-156 (2001)
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[Publications] T.Kojima: "Sensitive determination of four general anaesthetics in human whole blood by capillary gas chromatography with cryogenic oven trapping"Journal of Chromatography B. 762. 103-108 (2001)
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[Publications] K.Watanabe-Suzuki: "Sensitive determination of styrene and related compounds in human body fluids by headspace capillary gas chromatography with cryogenic oven trapping"Chromatographia. 54. 507-510 (2001)
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[Publications] K.Watanabe-Suzuki: "A case of death due to rescue action by a power shovel after being buried alive"Legal Medicine. 3. 241-245 (2001)
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[Publications] 津田孝雄: "カフェイン錠剤使用後のヒト汗中カフェイン及びその代謝物の存在確認とそれらの濃度経時変化"発汗学. 8. 13-19 (2001)
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[Publications] 寺澤純子: "キャピラリー電気泳動によるヒト汗中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムイオンの定量"分析化学. 50. 813-817 (2001)