カラムスイッチング・イオンクロマトグラフィーによる無機薬毒物の迅速スクリーニング

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13557037
• Research Institution: Fujita Health University
• Principal Investigator: 石井 晃 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30252175)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 平田 公一 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60278299) ; 勝又 義直 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30109326) ; 鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044) ; 平田 ゆかり 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (50156676) ; 浜島 誠 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20189608)
• Keywords: イオンクロマトグラフィー / アジ化ナトリウム / セミミクロカラム / 定量

Research Abstract

ヒ素、青酸化合物、アジ化ナトリウムなどの無機薬毒物は、現在下火にはなってはいるが、この数年これらの薬毒物中毒事例が頻発した。また、今後はこれらの化合物の入手が比較的容易であることから、テロリズムの手段としての使用も想定しなければならない。イオンクロマトグラフィー(IC)は、イオン交換樹脂による陽・陰イオンの検出方法として広く用いられている。ICは、同定には不向きではあるが、操作性が簡便で、比較的定量性も高いため、スクリーニングに適当であると考えられる。しかし、ICは、従来環境中の試料に主に用いられており、多量の來雑物を含む体液中からの分析には、何らかの前処理が必要である。
本年度は、前年度に引き続いてアジ化化合物の分析を継続して行った。ジュース、コーヒー等の飲料水中のアジ化イオンは希釈により比較的に容易に分析されたが、全血については、塩素イオンの妨害が考えられ、そのままでの注入は困難であった。そこで、われわれはコンウェイセルでアジ化イオンをトラップする方法をまず試みた。トラップを行う溶液量を少なくすることにより、感度を上昇させることができた。さらにセミミクロカラムを用いることにより、従来のコンベンショナルカラムに比べ、4ないし5倍程度の感度の上昇が得られた。また、定量性を向上させるために、内部標準を添加したが、直線性や定量性はあまり向上せず、アジ化イオンのみの定量で十分と考えられた。今後はアジ化イオンの定量法を完成させ、次いで、強心配糖体のICによる定量法を開発する予定である。

Research Products

• [Publications] A.Ishii: "Application of gas chromatography-surface ionization organic mass spectrometry to forensic toxicology"Journal of Chromatography B. 776. 3-14 (2002)
• [Publications] K.Watanabe-Suzuki: "Cryogenic oven-trapping gas chromatography for analysis of volatile organic compounds in body fluids"Anal. Bioanal. Chem.. 373. 75-82 (2002)
• [Publications] T.Arinobu: "Comparison of SSI with APCI as an interface of HPLC-mass spectrometry for analysis of a drug and its metabolites"J. Am. Soc. Mass Spectrom.. 13. 204-208 (2002)
• [Publications] K.Watanabe -Suzuki: "A curious case of a car crash in which self-strangulation and lung collapse were found : A case report"Med. Sci. Law. 42. 261-264 (2002)
• [Publications] T.Arinobu: "Liquid chromatographic-mass spectrometric determination of haioperidol and its metabolites in human plasma and urine"Journal of Chromatography B. 776. 107-113 (2002)
• [Publications] Y.Mizuno: "Identification and characterization of 17 phenothiazine compounds by capillary high-performance liquid chromatography/fast atom bombardment mass spectrometry"Legal Medicine. 4. 207-216 (2002)