2001 Fiscal Year Annual Research Report
Rhシステムの全容解明へ向けて:発現調節機構の同定と抗原エピトープマップの作成
Project/Area Number |
13557038
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 助手 (90316513)
奥田 浩 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50285772)
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10232711)
熊田 真樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (40326830)
|
Keywords | Rh式血液型 / Rh30遺伝子 / マウスオーソログ / weak D / エピトープ / 変異型 / Rhmod / 自己免疫性溶血性貧血 |
Research Abstract |
ヒトRh30(RhDならびにRhCE)蛋白の発現調節機構の解明のため、ヒトRh30遺伝子座の構造とマウスオーソログであるRhced遺伝子とその周辺領域の塩基配列の決定ならびに比較を行ったところ、Rhced遺伝子の周辺領域の構造はヒトのRHCE遺伝子に類似していることが判明した。このことから、遺伝子複製の結果であると考えられているRH30遺伝子座を構成するRHDとRHCEの2個の遺伝子の中でRHCE遺伝子がオリジナルの遺伝子であると推測された。 Rhシステムに関わるバリアントであるweak D血液型の日本人例の解析により、新たな遺伝子変異を見出した。また、同変異を導入した変異RhD蛋白の解析から、膜貫通領域の構造がRhD抗原エピトープの量的ならびに質的な安定性に重要であることが明らかになった。さらに、白色人種と日本人でのweak Dの遺伝的背景の違いが予想されることから、日本人におけるweak Dの大規模な分子遺伝学的な解析が必要であると思われた。Partial Dについては、新たなタイプを同定し、各種モノクローナル抗体との反応性から、エピトープマップの作成を行った。Rhmod血液型の2家系の解析から、新たなRHAG遺伝子変異を見出し、RhAG蛋白の機能発現にC末の細胞内領域の変異が影響を与えることが推測された。 Rh30蛋白(RhDならびにCE)は、自己免疫性溶血性貧血の主要自己抗原であることが知られている。各種Rh30蛋白ならびにRhD-CEハイブリッド蛋白を培養細胞に発現させて、自己抗体との反応性を検討するとRhCcEe蛋白の共通抗原が自己抗原エピトープ形成に重要であることが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Iwamoto S.: "Reactivity of autoantibodies of autoimmune hemolytic anemia with recombinan rhesus blood group antigens or anion transporter band3"Am J Hematol. 68. 106-114 (2001)
-
[Publications] Kondo H.: "Direct-antiglobulin-test-negative immune haemolytic anaemia and thrombocytopenia in a patient with Hodgkin's disease"Acta Haematol. 105. 233-236 (2001)
-
[Publications] Kamesaki T.: "Molecular characterization of weak D phenotypes by site-directed mutagenesis an expression of mutant Rh-green fluorescence protein fusions in K562 cells"Vox Sang. 81. 254-258 (2001)
-
[Publications] 奥田浩: "RH遺伝子の分子進化学的解析"DNA多型. 9. 220-225 (2001)
-
[Publications] 岩本禎彦: "自己免疫と血液異常AIHAと自己抗体エピトープ解明へ向けての新戦略"臨床血液. 42. 167-169 (2001)
-
[Publications] 梶井英治: "血液型遺伝子"臨床病理. 49. 19-28 (2001)