2002 Fiscal Year Annual Research Report
IgG4関連膵炎(自己免疫性膵炎)の病態の解明と特異的診断法の確立
Project/Area Number |
13557047
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川 茂幸 信州大学, 医学部, 助教授 (10177628)
|
Keywords | 自己免疫性膵炎 / HLA / 疾患感受性遺伝子 |
Research Abstract |
自己免疫性膵炎の臨床像を検討した結果、膵頭部を含む広範囲な病変を有した活動性の高い症例に再燃が認められた。そして、初発時の免疫複合体(CIC)の値が、膵を中心に再燃する例で有為に高く、予測因子と考えられた。本疾患では活動期に膵ならびに肺門部にGa-67が集積し、血清IgG4値の上昇と相関を認めたことより、ガリウムシンチグラフィーが本疾患と膵癌を鑑別する有用な方法と考えられた。本疾患ではDRB1^*0405-DQB1^*0401 haplotypeの頻度が有為に高く、これらの抗原で呈示される特定の抗原ペプチドに対する免疫応答が発症の引き金になっていると考えられた。従って、本疾患では特定の抗原に対する自己抗体が存在すると考えられ、今後さらに研究を進めていく必要があると考えられた。HLA領域にはこれらclass II抗原以外に疾患感受性遺伝子は認められなかった。 自己免疫性膵炎の患者血清に反応する、23kDa,等電点約7.5の蛋白質を検出した。この蛋白質は、シェーグレン症候群等の自己免疫性の病因抗原として報告されているcarbonic anhydraseとは異なっていた。この患者血清に反応する23kDa蛋白質を部分的に精製し、電気泳動後、スポットを切り出し、TOF-MASを用いて数種類の蛋白質を同定した。今後、抗原決定基のアミノ酸配列を決定する予定である。特異的自己抗体測定系の特異性のコントロールになり得ると思われる総IgG4測定系(1Step Sandowich Type ECLIA)を確立した。今後、「自己免疫性膵炎の起因抗原の解明」と「特異的自己抗体測定系の開発」に注力する。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Hamano, H: "Sclerosing pancreatitis complicated with hydronephrosis caused by retroperitoneal fibrosis"Lancet. 359. 1403-1404 (2002)
-
[Publications] Kawa, S: "HLA DRB1^*0405-DQB1^*0401 haplotype is associated with autoimmune pancreatitis in the Japanese population"Gastroenterology. 122. 1264-1269 (2002)
-
[Publications] Horiuchi, A.: "Does a lack of reactivity to a-fodrin indicate the existence of primary autoimmunepancreatitis"Am J Gastroenterol. 97. 1275-1277 (2002)
-
[Publications] Horiuchi A: "ERCP features in 27 patients with autoimmune pancreatitis"Gastrointest Endosc. 55. 494-499 (2002)
-
[Publications] Akahane, C: "A primary Sjoegren's syndrome patient presenting marked swelling of multiple exocrine glands and sclerosing pancreatitis"Internal Medicine. 41. 749-753 (2002)
-
[Publications] 川 茂幸: "自己免疫性膵炎"信州医学雑誌. 50. 233-240 (2002)
-
[Publications] 川 茂幸: "自己免疫性膵炎診断基準の解説2.血清学的診断"膵臓. 17. 607-610 (2002)