2004 Fiscal Year Annual Research Report
胸部CTによる気道dimension計測に基づいた慢性閉塞性肺疾患の治療法の検討
Project/Area Number |
13557050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三嶋 理晃 京都大学, 医学研究科, 教授 (60190625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 繁郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (60344454)
平井 豊博 京都大学, 医学研究科, 助手 (20359805)
陳 和夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90197640)
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Keywords | COPD患者 / フラクタル次元 / 気腫病変 / 気道肥厚 / 気道可逆性 / サルブタモール / イプラトロピウム |
Research Abstract |
(1)本研究では、当施設でこれまで用いてきた画像解析手法を発展させ、女性COPD患者の胸部CT画像ファイルを解析し、男性症例と比較することで、女性症例のもつ画像上の特徴について検討した.その結果、年齢、%VC、1秒率には有意な差を認めなかった。しかし、下肺野で、女性症例の低吸収領域の分布の複雑性を示すフラクタル次元が有意に男性より高値を示した。一方LAA%(低吸収領域の肺野に対する面積比)や気道に関するCT画像指標については、両群間に有意な差を認めなかったつまり、女性では、同程度の気腫病変(LAA c1uster)が肺野に占めていても、特に下肺野においてその分布形式が男性とは異なることを示していた。この結果より、肺気腫病変の形成過程が男女で異なることが示唆され、今後経年変化を調べることでよりその実態が明らかになると推測される. (2)COPD患者における気道肥厚と気道の可逆性との関連は明らかでない。そこで、今回私どもはCTによって定量される気道病変と気腫化病変の指標と、気道可逆性の関係を評価した.安定期CODP患者で、%1秒量が80%以下の患者を対象とした。一秒量FEV_1は気管支拡張剤吸入前と、イプラトロピウム80μgとサルブタモール400μg吸入15分後に計測した。可逆性は(FEV_1post-FEV_1pre)/FEV_1pre x 100(%)として算出した。その結果、気道壁厚の指標と気道可逆性の間には、有意な正の相関を認めた。しかしながら、気種病変の指標と気道可逆性の間には、有意な相関を認めなかった.今回の結果によりCOPD患者において、気道病変優位群が気管支拡張療法のよい適応である可能性が示唆された.
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Research Products
(5 results)