2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御因子p27Kip1の発現、代謝調節による肺癌遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
13557054
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松瀬 健 横浜市立大学, 医学部附属病院, 教授 (90199795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 道明 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80199702)
五嶋 良朗 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00153750)
北村 均 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20094302)
寺本 信嗣 東京大学, 医学部, 講師 (50282629)
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Keywords | 細胞周期制御因子 / 遺伝子治療 / 肺癌 / p27Kip1 |
Research Abstract |
1.p27Kip1の発現量の変化による、肺癌細胞のアポトーシス及びネクローシスの制御 adenovector及びsiRNA法によりp27Kip1の発現量を制御し、肺腺癌細胞A549におけるp27Kip1の細胞生存能への役割を検討した。P27Kip1の過剰発現は、ウイルス誘導性のアポトーシスを抑制した。逆に、p27Kip1の発現を抑制すると、アポトーシスが誘導された。このp27Kip1のアポトーシスからの防御能は、ウエスタンブロットによる検討から、細胞質局在している同蛋白が有するものと考えられた。 2.p27Kip1の細胞内局在の制御機構 前述の結果よりp27Kip1の細胞内局在のメカニズムについて検討した。P27Kip1のcDNAにmutagenesisを行い、セリンやチロシンにおけるリン酸化と細胞内局在の関連をA549細胞において調べたところ、S10,T157及びT198の各アミノ酸のリン酸化によりp27Kip1の細胞質内局在が誘導されることが示唆された。 3.肺癌細胞におけるp27Kip1の細胞周期制御における役割 p27Kip1の発現量をA549細胞において制御し、同蛋白の細胞周期制御における役割を検討した。強制発現ではp27Kip1は細胞周期停止の方向に機能したが、発現抑制は細胞周期の状態に変化を与えなかった。 4.低栄養状態における肺癌細胞の生存能とp27Kip1との関連 アミノ酸除去、あるいはグルコース除去の培地におけるA549細胞の生存能に対するp27Kip1の役割を検討した。肺非小細胞癌A549細胞において、アミノ酸及びグルコースの除去は異なった形で細胞増殖の停止に働き、またアポトーシス及びネクローシスを誘導していた。この低栄養下での細胞死誘導は、細胞質に存在するp27Kip1により抑えられている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)