2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮由来リパーゼ(EDL)の測定法と新しい高脂血症治療薬の開発
Project/Area Number |
13557066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 健一 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20283880)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10177678)
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Keywords | リパーゼ / 動脈硬化 / 高脂血症 / サイトカイン / 炎症 / 高比重リポ蛋白質 |
Research Abstract |
EDLはリポ蛋白リパーゼのファミリーに属する新しい蛋白であり、HDLを含めたリポ蛋白代謝や動脈硬化に重要な役割を果たしていることが推測される。今回、EDL遺伝子の過剰発現マウス、ノックアウトマウスを作成し、その血清脂質プロフィールを解析したところ、ノックアウトマウスでは血清中のHDL濃度が野生型のマウスに比べて約2倍増加しており、一方、過剰発現マウスでは血清中のHDL濃度が低下していた。これらの結果からEDLはHDLの代謝に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、ヒトEDLに対する抗体を作成し、ヒトおよびマウスのEDL蛋白質の存在部位を免疫組織化学的に検討したところ、ヒト冠動脈の内皮細胞、平滑筋細胞、および動脈硬化病巣のマクロファージに発現していることが明らかとなった。この結果から、EDLが血管局所でのリポ蛋白代謝や動脈硬化の進展に重要な役割をはたしていると考えられた。培養血管内皮細胞ではIL-1β,TNF-αの炎症性サイトカインによってその発現は著明に誘導された。そして、血管のリモデリングに重要なアンジオテンシンの刺激でその遺伝子発現が誘導されることが明らかになった。さらに、ヒトEDLのモノクローナル抗体を作成し、血漿中のEDL蛋白量を測定したところ、EDLの血中濃度を測定する二とができた。現在、高脂血症や動脈硬化症患者の血漿中のEDL蛋白量および活性を測定し、これらの疾患におけるEDLの役割を明らかにするためのデータを蓄積中である。 今後、EDLと高HDL血症や低HDL血症をはじめとする高脂血症、心筋梗塞などの動脈硬化疾患との関係を疫学的に明らかにできると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Azumi H: "Immunohistochemical localization of endothelial cell-derived lipase in human atherosclerotic coronary arteries"Cardiovasc Res. (in press). (2003)
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[Publications] Ishida T: "Endothelial lipaseis a major determinant of HDL level"J Clin Invest. 111・3. 347-355 (2003)
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[Publications] Rikitake Y: "Expression of G2A, a receptor for lysophosphatidylcholine, by macrophages in murine, rabbit, and human atherosclerotic plaques"Arterioscler Thromb Vasc Biol. 22・12. 2049-2053 (2003)
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[Publications] Sungshin Y: "Endothelial lipase (EL) : A new lipase on the block"J Lipid Res. 43・11. 1763-1769 (2002)
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[Publications] Ozaki M: "Overexpression of endothelial nitric oxide synthase accelerates atherosclerotic lesion formation in apoE-deficient mice"J Clin Invest. 110・3. 331-340 (2002)
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[Publications] Ozaki M: "Overexpression of endothelial nitric oxide synthase in endothelial cells is protective against ischemia-reperfusion injury in mouse skeletal muscle"Am J Pathol. 160・4. 1335-1344 (2002)