2002 Fiscal Year Annual Research Report
先天代謝異常症の中枢神経障害に対する新しい治療法の開発と臨床応用の研究
Project/Area Number |
13557070
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
難波 栄二 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40237631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義之 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (90010389)
前川 真治 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助手 (70314606)
山本 俊至 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20252851)
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Keywords | ケミカルシャペロン / 中枢神経障害 / 治療 / 低分子物質 / 先天代謝異常 / GM1-ガングリオシドーシス |
Research Abstract |
本研究では、中枢神経障害を呈するライソゾーム病であるGM1-ガングリオシドーシスに対する治療の研究を進めている。本年度は、ヒト細胞の遺伝子解析と新しい治療法(ケミカルシャペロン法)の研究を進めた。遺伝子解析は、16エクソンをすべてPCR法で増幅し、エクソン1,4,7,9はSSCP法で解析した後にプラスミドにサブクローニングを行い塩基配列決定を行った。残りのエクソンは直接塩基配列を決定した。その結果、24名の患者の細胞から19種類の変異を同定した。そのうち8種類は新規変異(Y333H, W161G, Q255H, S532G, G178R, F107L, R68W, T500A)であり、残り11種類は既知の変異であった。治療法の研究では、特に日本人の代表的な変異であるR201C異常をもつ細胞株について、より低濃度で効果のある新しい化合物(GalX)の効果の検討を詳細に行った。培養細胞を用いて検討した。その結果、GalXは0.4μMの濃度で最も有効であり、投与4日から8日でもっとも大きな酵素活性の上昇(5倍の活性上昇)が見られた。投与中止後、4日の培養で効果が半減し、8日後には効果がみられなくなった。この細胞株の培養液中に、0.1mg/mlの濃度のガングリオシドを加えた条件下で、0.2μMのGalXを2日間の投与する実験を次に行った。ガングリオシドはFITCラベルコレラ毒素Bサブユニット(CTB)を用いて染色した。その結果GalXを加えた細胞株では、ガングリオシドの蓄積が減少する傾向がみられた。GalXはR201C変異患者に有効な治療薬になると考えられた。来年度は、さらに多くの細胞株への効果を検討し、さらにマウスでの研究を進めて臨床応用を目指す。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takaura N: "Attenuation of Ganglioside GM1 Accumulation in the Brain of GM1 gangliosidosis Mice by Neonatal Intravenous Gene"Gene Therapy. (in press).
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[Publications] Saito Y: "Early-onset, rapidly progressive familial tauopathy with R406W mutation"Neurology. 58. 811-813 (2002)
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[Publications] Saito Y: "Niemann-Pick type C disease : accelerated neurofibrillary tangle formation and amyloid beta deposition associated with apolipoprotein E ε4 homozygosity"Ann Neurol. 52. 351-355 (2002)