2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳シグマ受容体を指標にした加齢・神経変性疾患・脳腫瘍の新しいPET診断法
Project/Area Number |
13557077
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Foundation for Research on Aging and Promotion of Human Welfare |
Principal Investigator |
石渡 喜一 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・ポジトロン医学研究グループ, 副参事研究員 (50143037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 裕一 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・ポジトロン医学研究グループ, 主任研究員 (60205002)
成相 直 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00228090)
石井 賢二 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・ポジトロン医学研究グループ, 研究助手 (10231135)
|
Keywords | シグマ受容体 / ポジトロン断層法 / 統合失調症 / パーキンソン病 / 受容体占拠率 / 腫瘍診断 / P糖タンパク質 |
Research Abstract |
1.シグマ受容体リガンド開発に関する基礎研究 我々が開発した臨床PET薬剤のシグマ1受容体リガンド[^<11>C]SA4503は、血液脳関門のP糖タンパク質の基質にはならないが、インビトロ実験等で標準薬剤と見なされている[^3H]pentazocineはP糖タンパク質により脳への透過性が減少されていることが、マウスによるインビボ実験でわかった。また、[^<11>C]SA4503や昨年開発した[^<18>F]FE-SA5845は、癌の診断薬としても期待できることが、ヒトの癌を移植したラットモデルで明らかになった。 2.臨床研究 パーキンソン病患者では、線条体節前のドパミントランスポータの減少と([^<11>C]CFT-PETで計測)同様に、シグマ1受容体([^<11>C]SA4503-PETで計測)の結合能低下が認められた。大脳皮質等の他の局部での異常は認められなかった。 統合失調症患者8例を対象に[^<11>C]SA4503-PETによるシグマ1受容体測定したところ、健常者に比べて脳局所の変化は少なく、症例の追加と詳細な統計的な検討を引き続き行う予定である。 健常者にハロペリドールを負荷したとき、シグマ1受容体占拠率([^<11>C]SA4503-PETで計測)はドパミンD2受容体占拠率[^<11>C]raclopride-PETで計測)のほぼ2/3程度に達することが明らかになった。 [^<11>C]SA4503-PETでヒトの全身画像を得たところ、この[^<11>C]SA4503は肝胆排泄系の薬剤であり、PET計測時間内では下腹部での生理的集積は極めて少なく、脳腫瘍よりはこの部位での癌診断への可能性が明らかになった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kawamura K., et al.: "An increase of sigma_1 receptors in the aged monkey brain."Neurobiology and Aging. 24・5. 745-752 (2003)
-
[Publications] Kawamura K., et al.: "Synthesis and evaluation of ^<11>C-and ^<18>F-labeled 1-[2-(4-alkoxy-3-methoxyphenyl)ethyl]-4-(3-phenylpropyl)piperazines as sigma receptor ligands for positron emission tomography studies."Nuclear Medicine and Biology. 30・3. 273-284 (2003)
-
[Publications] Elsinga PH, et al.: "Evaluation of[^<18>F]fluorinated sigma receptor ligands in the conscious monkey brain."Synapse. 52・1. 29-37 (2004)
-
[Publications] Kawamura K., et al.: "Improved synthesis of[^<11>C]SA4503,[^<11>C]MPDX and[^<11>C]TMSX by use of[^<11>C]methyl triflate."Annals of Nuclear Medicine. 30・3(印刷中). 273-284 (2003)