2001 Fiscal Year Annual Research Report
マルチプルリスクファクター症候群の新しい遺伝的基盤
Project/Area Number |
13557093
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60243242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲 富士レビオ(株), 医薬研究所, 主任研究員
富山 佳昭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252667)
平野 賢一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30332737)
|
Keywords | CD36 / マルチプルリスクファクター症候群 / 動脈硬化 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
近年、社会的問題になっている過労死や突然死の原因として、コレステロールが豊富な粥状動脈硬化病変の破綻(Cholesterol-rich plaque rupture)によって生じる急性冠症候群(Acute coronary syndrome)が重要であると考えられる。実際に粥状動脈硬化症を発症した多くの患者には、糖尿病、高脂血症、高血圧などを合併するいわゆるマルチプルリスクファクターが集積した状態、マルチプルリスクファクター症候群(Multiple risk factor syndrome, MRF)が認められることは周知の事実である。その発症には、運動の不足や食生活の欧米化などの後天的要因の関与が大きいことはいうまでもない。一方、その発症に関与する遺伝的要因についてはいまだほとんど明らかではない。Cd36は、スカベンジャー受容体に属する膜蛋白で、我々は1990年にその遺伝的欠損症を報告して以来、その病態について解析し、最近、MRFに共通して認められるインスリン抵抗性が本症において認められることを発見した。そこで、本研究はMRFの原因遺伝子としてのCD36の位置づけを確定することを目的とする。本年度は、これまで経験したCD36欠損症の臨床像、遺伝子異常について総括した。そして新たに、CD36遺伝子異常を発見した。また、実際に高脂血症、高血圧、対糖能異常の認められる患者が多いことを確認し、さらに脂質代謝の詳細な解析を行った。CD36欠損症では、動脈硬化惹起性リポ蛋白であるレムナントが増加していること、食後高脂血症が認められること、それに食事由来リポ蛋白の増加が関与していることを明らかにした(投稿中)。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yamashita S, et al.: "Low HDL syndromes and high HDL syndrome"The encyclopedia of endocrinology and endocrine disease. (印刷中).
-
[Publications] Yamashita S, et al.: "Expression of functional analyses of novel mutations in ATP-binding cassette transporter-1 in Japanese patients with high density lipoprotein deliciancy"Biochem Biophys Res Commun. 290. 713-721 (2002)
-
[Publications] Yamashita S, et al.: "ATP-binding Cassette Transporter-1 (ABCA1) induces Rearrangement of Actin Cytoskeletons through Possible interaction between ABCA1 and Cdc42"Biochem Biophys Res Commun.. 287. 757-765 (2001)
-
[Publications] Yamashita S, et al.: "CD36 deficiency is associated with insulin resistance"Lancet. 357. 686-687 (2001)
-
[Publications] Yamashita S, et al.: "Insulin resistance and CD36 deficiency"Lancet. 358. 244 (2001)
-
[Publications] Yamashita S, et al.: "Expression of cholesteryl estor transfer protain in human atherosclerotic lesions and its implication in the reverse chotosterol transport"Athewselerosis. 159. 67-75 (2001)