2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13557112
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
関谷 徹治 弘前大学, 医学部, 助教授 (70154656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋村 則人 弘前大学, 医学部, 助手 (40312491)
鈴木 重晴 弘前大学, 医学部, 教授 (30004708)
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Keywords | Cochlear nerve / Hearing / Nerve degeneration / Nerve injury / Nerve regeneration |
Research Abstract |
聴覚は重要な感覚系の一つであるが、その中でも蝸牛神経は外力に対して特に脆弱である。このことは、交通事故や労災事故、さらには脳神経外科手術後の難聴の発生などとして経験される。中でも、聴神経鞘腫が両側蝸牛神経をおかすneurofibromatosis 2(NF-2)においては、両側聾という事態を生じる可能性が常にあり、患者にとって深刻な問題となる。このような背景から、我々は外傷性蝸牛神経変性の治療方法の確立に向けて研究を開始した。この研究のために、前年度までの科研費の補助によって、定量的評価可能な蝸牛神経変性モデルを確立した(Exp Neurol 161 : 490-502, 2000,前回報告時にはin pressであった)。前年度までの研究を継続しつつ、本年度からは、このモデルに基づいて外傷性蝸牛神経変性に対する防止策の検討を本格的に始めることができた。それによると、種々の神経栄養因子(NGF,BDNF,NT3)を損傷蝸牛神経に局所投与することによっては、蝸牛神経変性を有意に防止することができなかった。しかし、このことは、これらの因子の投与方法、投与量などをさらに検討する必要があることを示唆していると考えている。Methylprednisoloneは、一定度以下の圧迫損傷を受けた蝸牛神経の変性過程の進展を防止しうることを確認した。免疫染色によると、macrophageの圧迫損傷部への浸潤がmethylprednisoloneによって抑制されている所見を認めた。Macrophageの神経損傷における役割に関しては、神経再生上、positiveな役割を果たすと一方でneurotoxicに作用する側面をも有しており、今後さらに検討を要する問題である。また、NMDA antagonistの検討も行った。このような薬理学的検討を現在も継続的に行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sekiya T: "Methylprednisolone ameliorates cochlear nerve degeneration following mechanical injury"Hear Res. 151. 125-132 (2001)
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[Publications] Sekiya T: "Macrophage invasion into injured cochlear nerve and its modification by methylprednisolone"Brain Res. 905. 152-160 (2001)