2001 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞・腫瘍細胞へのVHL遺伝子導入による神経分化誘導と導入細胞を用いた神経再生
Project/Area Number |
13557120
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40244496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10217995)
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00260787)
山田 人志 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70240033)
山本 勇夫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30158266)
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Keywords | VHL遺伝子 / von Hippel-Lindau病 / 神経幹細胞 / 神経芽細胞腫 / 神経再生 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
中枢神経系血管芽腫、網膜血管腫、腎癌を発生する遺伝性の母斑症であるvon Hippel-Lindau(VHL)病の原因遺伝子で、腫瘍抑制遺伝子でもあるVHL遺伝子は、弧発性の腎癌、血管芽腫の原因遺伝子でもあるだけでなく、VHL遺伝子をウイルスベクターにて導入させることによりラット胎児大脳より分離した神経幹細胞に対して神経分化誘導作用があること、逆にその神経分化がVHL遺伝子のアンチセンスによって阻止されることを本研究の代表者らは明らかとした。この結果を基に、VHL遺伝子をプラスミドベクターにて神経芽腫細胞へ導入し、VHL遺伝子が常時発現するstable cloneを作成すると、蛋白レベルでニューロンのマーカーの発現を認めただけでなく、神経分泌としての開口現象、電気生理学的にはパッチクランプ法にてカリウムチャネルとナトリウムチャネルがニューロンと同様の高電位の電流を認めた。また、移植したVHL遺伝子導入神経幹細胞が、生体内で機能し、パーキンソン病などの神経難病の治療に有用かをパーキンソンモデルラットで検討したところ、未処理の神経幹細胞の脳内への移植ではパーキンソンモデルラットの症状を改善させなかったが、VHL遺伝子導入神経幹細胞の移植ではモデルラットの症状を劇的に改善させただけでなく、ラット脳内で約3割がドーパミン産生細胞へ分化していることが確認された。こうした結果から、VHL遺伝子導入神経幹細胞の脳内への移植によるパーキンソン病治療が有用である可能性があると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 菅野洋, 鈴木伸一, 村田英俊ほか: "下垂体腺腫におけるvon Hippel-Lindau腫瘍抑制遺伝子産物の発現"日本内分泌学会雑誌. 77(2). 103-105 (2001)
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[Publications] 菅野洋, 権藤学司, 村田英俊ほか: "脊髄血管芽腫の外科治療と遺伝子診断"脊髄外科. 15(3). 207-212 (2001)
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[Publications] Inamura Y, Nishio Y, Kanno H. et al.: "Crush and imprint cytology of subependymoma"Acta Cytol. 45(4). 636-640 (2001)
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[Publications] Chang CC, Kanno H, Yamamoto I, et al.: "Cere brovascular reactivity to acetogolaniide in alert patients with cerebral in farction"Nacl Med Commun. 22(10). 1119-1122 (2001)
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[Publications] Baba M, Hirai S, Yao M, et al.: "Tumor suppressor protein VHL is induced at high cell densitg and mediates contact inhibition of cell growth"Oncogene. 20. 2727-2736 (2001)
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[Publications] 菅野洋: "神経幹細胞と転写因子"CLINICAL NEUROSCIENCE. 20(1). 49-52 (2002)