2003 Fiscal Year Annual Research Report
HAp/Col複合体及びヒト培養骨髄細胞を用いた骨再生システムの確立、臨床応用
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13557125
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 聰一郎 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 助教授 (10242190)
黒田 浩司 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70282746)
小森 博達 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60262169)
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Keywords | 多孔質HAp / Col / 臨床治験 / ヒト骨髄間葉系細胞 / アルカリフォスファターゼ / 骨形成能 / 霊長類 / 多血小板血漿 / 3元 |
Research Abstract |
【多孔質HAp/Colの開発】 多孔質HAp/Colの骨充填材としての認可取得を目的とした研究開発を行った。今年度は、より大型の動物を用いて臨床応用を想定した動物実験を主に行った。また、素材の特殊性から、滅菌法の問題も解決しなければならず、滅菌法の違いによる生体反応を検討する実験を行った。これらの結果を踏まえて2005年1月の臨床治験を目標に研究開発中である。 【骨髄間葉系細胞(MSC)の臨床応用に向けて】 昨年度、ヒトMSCを多孔質β-TCPに導入し、ヌードマウスに移植して、高齢者由来のMSCでも骨形成能を有しているが、同時に個体差も大きいことを確認した。これは臨床上、問題となる可能性がある。今年度は生体外での細胞の状態と移植した際の骨形成能との関連性を検討した。その結果、生体外の骨芽細胞の早期分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)活性と生体内での骨形成能に相関が認められた。つまり、ALP活性を高く発現しうる細胞は生体内において早期に骨を形成することが確認された。これは細胞を移植前に評価し、より良い状態の細胞を移植に使用することができる可能性を示しており、臨床的に重要な意義を持つ。 自家骨移植が必要とされている腰椎後側方固定手術をヒトと同じ霊長類のサルに施行し、MSCを導入したβ-TCPを自家骨の代わりに移植し、自家骨移植に匹敵する結果を得た。これは昨年度より得られている結果であるが、さらに症例数を増やし、結果の確実性を確認した。 【MSCの骨系性能向上へ向けて】 MSCによる骨形成能を向上させるため、細胞導入の際に多血小板血漿:platelet rich plasma (PRP)を使用し、そのゲル化能を利用しMSCを3次元的にβ-TCP内に導入することに成功した。ラットのモデルでその骨形成能を確認すると、骨形成時期、骨形成量ともに従来法に比較し有意に優れていた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Sotome, T.Uemura, S.Itoh, M.Kikuchi, J.Tanaka, T.Tateishi, K.Shinomiya: "Synthesis and in vivo evaluation of a novel Hydroxyapatite/Collagen-alginate as a bone filler and a drug delivery carrier of bone morphogenetic protein"Materials Science and Engineering : C. (in press).
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[Publications] Nakamura H, Kumei Y, Morita S, Shimokawa H, Ohya K, Shinomiya K.: "Suppression of osteoblastic phenotypes and modulation of pro- and anti-apoptotic features in normal human osteoblastic cells under a vector-averaged gravity condition."Journal of Medical and Dental Science. 50(2). 167-176 (2003)
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[Publications] Yagi K, Tsuji K, Nifuji A, Shinomiya K, Nakashima K, DeCrombrugghe B, Noda M.: "Bone morphogenetic protein-2 enhances osterix gene expression in chondrocytes."Journal of cellular biochemistry. 88(6). 1077-1083 (2003)
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[Publications] 田中順三, 四宮謙一(その他): "再生医療-ティッシュエンジニアリング&生体材料 最前線"日刊工業新聞社. 160 (2003)