2004 Fiscal Year Annual Research Report
新素材HAp/Col複合体とポリL乳酸製ケージを用いたハイブリッド型人工骨の開発
Project/Area Number |
13557126
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 聰一郎 国立大学法人東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 客員助教授 (10242190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 義則 国立大学法人東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 助手 (50345279)
四宮 謙一 国立大学法人東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
田中 順三 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター長 (10343831)
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Keywords | 水酸アパタイト / コラーゲンナノ複合体 / シート / 骨髄細胞 / 骨芽細胞 / 間葉系幹細胞 / 骨形成能 |
Research Abstract |
【目的】 水酸アパタイト/コラーゲンナノ複合体によるシート(HAp/Col sheet)は、適度な強度を有し、水分を含有すると粘性、可塑性が増加して加工性に富むという特性を持つ。この新素材を骨再建に応用するため、HAp/Col sheet上に間葉系幹細胞を播種し、in vivoで骨形成能を検討した。 【方法】 1.細胞培養:生後1日のマウス頭蓋骨をコラゲナーゼ処理することより骨芽細胞を採取した。生後6週のラット大腿骨を採取し、骨髄除去を行って骨髄細胞を採取した。骨髄細胞はP1にてアデノウイルスベクターを用いてLacZを遺伝子導入した。これらの細胞を個々にHAp/Col sheet上で培養した。骨芽細胞は72時間、骨髄細胞は96時間培養した後に、前者はアルカフォスファターゼ染色、後者はXgalにて染色し可視化した。 2.ラット骨欠損部への移植:ラット大腿骨に長さ6mmの骨欠損部を作成し、創外固定を行った。骨欠損部に、HAp/Col sheet単独、あるいはラット滑膜細胞から樹立した間葉系幹細胞を播種したHAp/Col sheetを埋殖した。手術後2週間ごとにレントゲン写真を撮影し、仮骨形成を観察した。 【結果】 マウス骨芽細胞、ラット骨髄細胞は共に、HAp/Col sheet上にて仮足を伸ばして生着することが確認された。ラット大腿骨に形成した骨欠損部にHAp/Col sheetを埋殖したが、HAp/Col sheetは可塑性に富み、様々な形態に成型が容易であった。HAp/Col sheetを骨欠損部の骨幹部周囲にロール状に巻いて固定したところ、術後2週ごろより仮骨の形成が認められた。移植前のHAp/Col sheetに、ラット滑膜細胞から樹立した間葉系幹細胞を播種すると、仮骨形成が促進された。埋殖部に異常な炎症反応は認められなかった。今後材料特性をコントロールすることにより、HAp/Col sheetは骨再生医療を前進させるドライビングフォースとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Porous Body Preparation of Hydroxyapatite/Collagen Nanocomposites for Bone Tissue Regeneration.2004
Author(s)
Kikuchi M., Ikoma T., Syoji D., Matsumoto H.N., Koyama, Y., Itoh S., Takakuda K., Shinomiya, K., Tanaka J.
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Journal Title
Key Eng.Mat. 254-256
Pages: 561-564