2001 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体に対するガス麻酔薬の分子的作用機構の解明
Project/Area Number |
13557130
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山倉 智宏 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (80272847)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
|
Keywords | ガス麻酔薬 / グルタミン酸受容体 / NMDA受容体 / AMPA受容体 / カイニン酸受容体 / アセチルコリン受容体 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
リガンド依存性イオンチャネルサブユニットのcDNAからmRNAを合成し、それをアフリカツメガエル卵母細胞に注入、培養することにより、任意のサブユニットの組み合わせからなるリガンド依存性イオンチャネルを細胞膜上に発現、再構成させた。電気生理学的測定により、-70mVに膜電位を固定し、各リガンド依存性イオンチャネルに対する選択的アゴニストを灌流投与することにより内向き電流応答を惹起し、それに対するガス麻酔薬の効果を解析した。 グルタミン酸受容体チャネルの3種類のサブタイプであるAMPA受容体、カイニン酸受容体・NMDA受容体はすべて亜酸化窒素で抑制され、その抑制程度は等臨床麻酔濃度(0.5MAC(minimum alveolar concentration))のイソフルレンと比較して、より強く抑制された(cf. カイニン酸受容体はイソフルレンによって増強される)。また、ニコチン性アセチルコリン受容体も亜酸化窒素で抑制され、その抑制程度はβサブユニットの種類によって異なり、β2サブユニットから構成されるチャネルはβ4サブユニットから構成されるチャネルに比べて強く抑制された。 リガンド依存性イオンチャネルの中ではNMDA受容体およびβ2サブユニットから構成されるニコチン性アセチルコリン受容体が、ガス麻酔薬に対して感受性が高かった。このことから、ガス麻酔薬け他の揮発性麻酔薬や静脈麻酔薬と同様に、少数の特定の標的に作用することで麻酔作用を惹起していることが示唆される。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Yamakura T, et al.: "Differential effects of general anesthetics on G-protein-coupled inwardly rectifying and other potassium channels"Anesthesiology. 95. 144-153 (2001)
-
[Publications] Yamakura T, et al.: "Anesthetics and ion channels : molecular models and sites of action"Annu. Rev. Phamacol. Toxicol.. 41. 23-51 (2001)