2004 Fiscal Year Annual Research Report
直腸肛門奇形における骨盤底筋群ならびに神経・筋接合部の再生分化誘導療法の開発
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13557146
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Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
下竹 孝志 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (90254341)
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Keywords | 直腸肛門奇形 / 神経筋接合 / 骨盤底筋群 / 再生 |
Research Abstract |
Sd/Sd系heterozygotesマウスの繁殖コロニーを樹立し、予定交配によりhomozygotes胎仔を作成した。作成したマウスの95%以上は直腸肛門奇形を有しており、再現性のある疾患モデルマウスとして本研究の主たる対象とした。作成した鎖肛マウス胎仔における筋原基ならびに分化誘導分子の発現検索を免疫組織化学的手法にて行った。即ち、採取した胎仔を4%paraformaldehyde溶液にて固定、液体窒素で凍結させクリオスタットにて矢状断あるいは水平断に薄切、連続凍結切片とした。ここで筋細胞系の特異的マーカーとして抗α-isoactin、desmin、cytokeratinの各抗体、および各筋分化誘導因子に対する各特異抗体を用いて免疫組織抗体法を施行し、光学および蛍光顕微鏡下に観察した。また遺伝子レベルにて筋細胞の分化特性を検討するため、各MRF分子の特異的配列を含む塩基配列をvector plasmidに導入し、antisense、senseプローブをともにdigoxygeninにて標識した。各日齢の疾患モデルマウス胎仔凍結切片につき、各プローブを用いてhybridizationの上、抗digoxygenin抗体の局在を可視化するべく、また胚whole mount ISHでは胎生9.5〜11.5日の胎仔をメタノール処理後0.2%glutalaldehyde/4%paraformaldehydeにて固定、各プローブ存在下に70℃にてovernight振盪しながらhybridizationさせる。洗浄後抗digoxygenin抗体を加えDAB発色した。その結果、本症における直腸肛門機能障害に強い相関を有する骨盤底筋群の発生について、筋分化誘導転写因子(myoD, MRF4,Myf5,myogenin)および神経・筋接合部の形成に関与する分子(synaptophysin, agrin等)の発生動態の検索にて確立した直腸肛門奇形マウスの病態が、本症における括約筋群ならびに神経筋接合部の発生障害に強く関与している状況が明らかになった。鎖肛マウスにおける間葉系幹細胞の単離ならびに筋芽細胞への分化誘導に取り掛かった。直腸肛門領域からの細胞を胚操作にて取りだして培養の上、各因子の特異的塩基配列をプラスミドベクターに組み込み培養した細胞に導入しその細胞の性状に関する筋原性自家移植細胞としての適正の検索を行った。
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Research Products
(6 results)