2002 Fiscal Year Annual Research Report
Adenovirusによる選択的免疫寛容状態を導入した同種複合組織移植の研究
Project/Area Number |
13557147
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医学部附属病院, 教授 (50196432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂村 律生 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (90322106)
遠藤 直人 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10251810)
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Keywords | カニクイザル / 同種手移植 / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
雌雄2頭ずつ計4頭、生後約1年のカニクイザルを購入。実際に飼育を開始し、新環境に順応させるとともに、前腕、手の機能についての記録、解析を行った。また、実際の術後の固定方法を検討した。CD3, CD4, CD8, CD14, CD20, CD56, CD161は実験前のカニクイザルのリンパ球と反応することを確認。CD抗原の発現状態は、CD3は45.2〜66.4%、CD20は9.4〜19.9%であった。CD4とCD8, CD3とCD56, CD3とCD161は、各々2colorで分析を行った。CD14は好中球マーカーと2colorで分析を行った。これらから、Tcell, Bcell, Nkcell、マクロファージの分布、Tcell/Bcell、CD4/CD8を確認した。なお、今回我々の使用した好中球マーカーは交差反応を示さなかった。 雌雄間で手の交換移植を行う予定であり、2頭間、計8通りのone way mixed lymphocyte reaction(MLR)を施行しMHC classIIの違いが大きい組み合わせを選択し、かつ、MHC classIについても、血清学的に判定し、mismachである2頭であることを確認後、CD3-immunotoxinを術前7日前から3日間静脈投与し、2頭間で手(前腕末梢1/3から遠位)を採取後、同種移植の予定であった。しかし、CD3-immunotoxinの投与法等に問題があり、再検討を余儀なくされた。よって、上記のMHCの検討後、免疫抑制剤(FK504, MMF, Predonisolone)三者併用投与に変更することとし、術後経時的に採血し血液一般検査、生化学検査、免疫学的検査、MLRならびに各CD抗体を用いて、FACSにてその変化の追跡を行う予定に変更した。 術前術後経時的に移植手部、それより近位のrecipientの上腕部と反対側の上腕部から、皮膚、筋肉、腋下リンパ節を採取し組織学的検討をおこない、拒絶反応、GVHDの有無、キメリズムの状況について追跡予定である。
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