2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨分化機構の分子的基盤を目指した、機能的遺伝子単離システムの開発及びその応用
Project/Area Number |
13557153
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
二藤 彰 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00240747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
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Keywords | 分化 / 軟骨 / BMP |
Research Abstract |
初年度として、本研究の目的である、機能的遺伝子単離システムの開発を行う基礎として、まず軟骨分化のアッセイ法の確立を試みた。 軟骨分化のアッセイ法の確立 骨、軟骨分化研究にとって不可欠なのは、網羅的な検索を行える分化のアッセイ法の確立である。生細胞のまま分化のモニターを行うため、軟骨特異的分子のプロモーター活性を蛍光でモニターできる方法を考案した。モニターする細胞としては、多分化能を持つが、定常状態では軟骨細胞としての分化形質を発現していないテラトカルシノーマ由来間葉系幹細胞F12を用いた。まずF12細胞に、軟骨分化の指標となるXI型コラーゲン遺伝子のプロモーターを含む転写調節領域にLacZをつないだベクター(以下pXIcol-Z)をトランスフェクトし、ステーブルトランスフォーマント(変異株)を得た。選択マーカーとしてHygromycin resintant geneを用い、シングルクローンになったものを選択した。次にいくつかのシングルクローンを保存しておき、そのクローンの中でLacZの発現がオフになっているものを選択した。それらのなかには、組み込まれる位置によっては、pXIcol-Zが組み込まれた位置のクロマチンが、オープンになりにくいクローンの存在も考えられる。一方BMPの添加により、II型コラーゲンやSox9など軟骨分化形質マーカーの誘導がかかることが、これまでの我々の研究でわかっている。そこで定常的にはpXIcol-Zの発現がないにもかかわらず、BMPの添加によりそれら分化マーカーと同時にXIcol-Zの発現上昇が認められたものは、軟骨分化のモニターに使える可能性があるものと考えた。得られたクローンをBMPで処理したときにpXIco1-Zが発現するようになったクローンを探した。(結果)ステープルトランスフォーマントのF12細胞においては定常状態ではpXIco1-Zが発現していないもの、少し発現しているものが多数で、一部恒常的に強く発現している株も得られた。得られたクローンのうち、BMP添加により発現の上昇が顕著に見られたものを、ひとつ選び出した(clone pR5-1)。clone pR5-1は単層培養ではpXIco1-Zをほとんど発現していない。一方凝集塊を作って培養すると低レベルの発現がみられ、さらにBMPを作用させると、さらに強い発現が認められた。したがってこのclone pR5-1を軟骨分化のモニターに用いた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nifuji A, Miura N, Kato N, Kellermann O, Noda M.: "Bone morphogenetic protein regulation of forkhcad/winged helix transcription factor Foxc2 (Mfhl) in a murine mesodermal cell line C1 and in skeletal precursor cells"J Bone Miner Res. 16・10. 1765-1771 (2001)