2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13557155
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
高橋 直之 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90119222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (90329475)
平岡 行博 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20097512)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
佐々木 崇寿 昭和大学, 歯学部, 教授 (50129839)
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Keywords | 破骨細胞 / マクロファージ / 骨芽細胞 / 骨髄間質細胞 / オステオプロテゲリン / ビスフォスフォネート / RANKL / アルカリフォスファターゼ |
Research Abstract |
骨吸収が起こると、続いてその吸収部位に新たな骨組織が形成される。本研究では、この骨代謝共役因子の同定と存在様式を解析できる実験系の確立を目的とした。 1.破骨細胞が産生するサイトカインの解析 (1)LPSは破骨細胞の延命と骨吸収能を促進した。また、LPSは破骨細胞のNF-κB、ERK、p38MAPKを活性化した。(2)破骨細胞前駆細胞である骨髄細胞マクロファージ(Mφ)は、LPSに反応してIL-1、TNFα、IL-6を分泌したが、破骨細胞ではそれらのサイトカインの産生亢進は認められなかった。(3)破骨細胞と未分化間葉系細胞との共存培養系より、破骨細胞は未分化間葉系細胞をアルカリフォスファターゼ(ALP)陽成細胞へ分化させる因子を出していることが示された。(4)このALP陽成細胞の誘導に対して、可溶性BMP受容体(BMPR type-IA)の添加は何ら抑制効果を示さなかった。(5)破骨細胞と間質細胞の直接接触を阻止した条件では、ALP陽性細胞は誘導されなかった。以上の実験より、成熟破骨細胞が骨髄間質細胞をALP陽性細胞に分化誘導させる因子を発現している可能性が示唆された。この骨芽細胞分化誘導因子は破骨細胞の細胞膜表面上に存在しているものと考えられる。 2.OPG欠損マウスを用いた骨代謝共役機構の解析 OPG欠損マウスにビスフォスホネート(BP)を投与し、骨吸収と骨形成の代謝共役を解析した。(1)骨形態計測を行ったところ、OPG欠損マウスは、骨吸収マーカーと骨形成マーカーがともに亢進していた。(2)BP投与により、骨吸収マーカーの低下とともに骨形成マーカーの著明な低下が認められた。(3)血清ALP活性は、OPG欠損マウスでは高値を示したが、BPの投与によって正常値以下にまで低下した。(4)正常マウスでは、血中に可溶性RANKLは殆んど検出できなかったが、OPG欠損マウスの血中に高濃度の可溶性RANKLが認められた。一方、BPの投与によって骨吸収を抑制しても、OPG欠損マウスの血中RANKL量は低下しなかった。以上の結果より、骨吸収と骨形成は共役しており、骨代謝共役因子の存在が強く示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Li X et al.: "p38 MAPK is crucially involved in osteoclast differentiation but not in cytokine production, phagocytosis or dendritic cell differentiation of bone marrow macrophages"Endocrinology. (in press). (2003)
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[Publications] Itoh K et al.: "Lipopolysaccharide promotes the survival of osteoclasts via toll-like reseptor 4, but cytokine production of osteoclasts in response to lipopolysaccharide is different from that of macrophages"J Immunol. (in press). (2003)
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[Publications] Takami M et al.: "Involvement of vacuolar H^+-ATPase in incorporation of risedronate into osteoclasts"Bone. (in press). (2003)
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[Publications] Nakagawa H et al.: "Novel anti-resorptive reagents, destruxins reversibly block poralization of osteoclasts"Bone. (in press). (2003)
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[Publications] Li X et al.: "p38 MAP kinase-mediated signals are required for inducing osteoclast differentiation but not for osteoclast function"Endocrinology. 143. 3105-3113 (2002)
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[Publications] Udagawa N et al.: "The molecular mechanism of osteoclastogenesis in rheumatoid arthritis"Arthritis Res. 4. 281-289 (2002)
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[Publications] Takahashi N et al.: "Principles of Bone Biology, Second Edition, Volume 1"Academic press. 882 (2002)