2002 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕原性口腔連鎖球菌グルカン合成酵素の立体構造解析に基づく新規阻害剤創製
Project/Area Number |
13557161
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福井 一博 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70034171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
小西 法文 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (60243466)
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
西村 英紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80208222)
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Keywords | グルカン合成酵素 / 口腔連鎖球菌 / X線結晶解析 / デキストラン / GTF / Streptococcus / 大量発現系 / 立体構造 |
Research Abstract |
昨年度,口腔連鎖球菌Streptococcus sobrinus 6715株の不溶性グルカン合成酵素(GTF-I)遺伝子について,N末端部は一部欠損するがC末端欠損のないタンパク質(GS-6R)の大腸菌での発現系を遺伝子操作により構築した。精製したGS-6Rの予備的な結晶化実験では,微小ながらも結晶の成長を観察した。しかし,その後の検討において,このGS-6Rの結晶はX線結晶解析に供するには質的に問題があることが判明した。その理由として,GS-6Rでは,GTF-IのN末側が一部欠損しているためではないかと考えられたため,N末端部の欠損もない完全長GTF-Iの精製に取り組んだ。すなわち,完全長GTF-Iを発現した菌体をリゾチームにて溶菌後,硫安分画,イオン交換クロマトグラフィー,吸着クロマトグラフィー,ゲル濾過クロマトグラフィー等によりGTF-Iを精製した。GTF-IはN末端部にシグナルペプチドを有するため,大腸菌ではペリプラズムに蓄積する。そのことが菌にとって有害であるためか,GTF-Iは,GS-6Rの場合と比べて産生量が少なかった。しかし,かなり純度の高い標品として予備的結晶化実験に用いるだけの量(6mg)を精製することができた。現在,さらに収量を上げるための発現系の検討を行うとともに,精製GTF-Iを用いて結晶化の条件を検討している。一方,口腔連鎖球菌Streptococcus cricetusの水溶性グルカン合成酵素の発現系の構築にも取り組んだ。この酵素は,すでに研究代表者らが遺伝子をクローニングし塩基配列決定を行ったものである。グルカン合成酵素遺伝子をPCR増幅し,プラスミドに組み込み,大腸菌を形質転換した。IPTGで酵素の発現誘導を行い,SDS-ポリアクリルアミド電気泳動したところ,予想される分子量の位置にバンドを検出した。
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