2003 Fiscal Year Annual Research Report
VEGF・抗VEGFを用いた歯周局所血管新生制御による新しい歯周治療戦略
Project/Area Number |
13557191
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60159803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 松男 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (50332896)
古市 保志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80305143)
鳥居 光男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
松尾 克彦 東亜合成, バイオサイエンス研究部, 主任研究員
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Keywords | VEGF / ポリ乳酸 / マイクロカプセル / 歯根膜細胞 / 歯周組織再生 / 歯周病 |
Research Abstract |
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は,歯周局所で,健常部位での健康維持,病変部位での進行ならびに治癒に関与していることが予測される。前年度までは,病変部での炎症増悪作用について検討したが,本年度は,治癒に於ける血管新生作用を期待して,1)VEGFを封入したポリ乳酸のマイクロカプセルを作製し,徐放化を試みた。さらに,2)歯周組織再生療法への応用を考慮し,培養歯根膜由来細胞に対するVEGFの作用を検討した。その結果,1)直径10μmのポリ乳酸マイクロカプセルの中にVEGFを封入する事に成功し,放出されたVEGFは,ELISA法により活性を保持している事が明らかとなった。現在,徐放化されたVEGFの生物学的活性保持について検討を行っている。さらに,2)VEGFは,歯根膜由来線維芽細胞におけるc-fos,オステオカルシン、オステオポンティン,BMP-2のmRNAの発現ならびに蛋白レベルの上昇を促し,カルシウム濃度およびアルカリフォスファターゼの産生を増加させた。また,VEGFを培地中に加える事により,培養歯根膜細胞中に石灰化物の形成を促進した。これらの結果から,VEGFは,歯根膜細胞を骨系細胞へ誘導する作用を持つことが明らかとなった。ただし,VEGFは歯肉線維芽細胞に対して,その様な分化誘導作用を示さなかった。また,この様な作用は,VEGF^<121>よりもVEGF^<165>で,顕著であった。これらの結果を踏まえて,今後,VEGF^<165>を封入したポリ乳酸マイクロカプセルの歯周組織再生療法への応用を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsuo Yamamoto: "Effects of recombinant human growth/differentiation factor-5 using in vitro and in vivo experiments."Dentistry in Japan. Vol.39. 119-122 (2003)
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[Publications] Toshiaki Nakamura: "Effects of growth/differentiation factor-5 on human periodontal ligament cells."Journal of Periodontal Research. Vol.38・6. 597-605 (2003)