2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和適応型炭素-炭素結合形成反応の開発とコンビナトリアル合成への展開
Project/Area Number |
13557197
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
内藤 猛章 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00340935)
宮田 興子 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (90102110)
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Keywords | 環境調和 / ラジカル反応 / 炭素炭素結合形成 / ワンポット / 固相反応 / 水溶媒 / Fisher Indolization |
Research Abstract |
ラジカル種を用いた炭素-炭素結合形成反応に基づく水中での環状化合物の合成法の開発およびTFAAを用いた新規転位反応の開発に関する実験を開始した。 ラジカル反応においては,炭素およびヘテロ原子の各ラジカルの多重結合への付加に始まる炭素-炭素結合形成と,その結果生成した新規ラジカルの求電子的性質を利用して,電子過剰な多重結合への付加による第2の炭素-炭素結合形成を行い,最終的には官能基化されたしかも多様な機能的化合物の効率的合成の基礎的研究を行った。すなわちオキシムエーテルおよびヒドラゾンのようなイミン類への炭素ラジカル付加反応を検討したところ、これまでのイオン反応に比して{極めて緩和な反応条件下において炭素-炭素結合形成反応が進行することを見出した。本反応は、使用する溶媒や試薬などが市販品そのものを使用しても効率的に進行することから環境調和適応型反応といえる。さらに、本反応を樹脂に結合した基質についても検討した結果、固相合成反応としても十分使用可能な効率的反応であることが判明した。この結果は、反応終了後の生成物の分離精製が、従来の有機合成反応の場合に比して飛躍的に簡素化できることになり、コンビナトリアル合成への展開の可能性を見出した。また、ラジカル反応において水を溶媒として用いる合成反応の基礎的検討も行った。 転位反応においては,これまで比較的過酷条件下で行われていたFischer indolizationをトリフルオロアセチル基の特異な電子吸引性を活用することにより緩和な反応条件下での合成反応として確立するための基礎的検討を行った。その結果、従来まで、高温を要していたFischer indolization反応が100℃以下でも極めて容易に進行することを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 宮部豪人: "Free-Radical Reaction of Imine Derivatives in Water"J. Org. Chem.. 65(16). 5043-5047 (2000)
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[Publications] 宮部豪人: "Reactions of Alkyl Radicals with Oxime Ether : One-Pot Synthesis of α-Amino Acids"Tetrahedron. 56. 2413-2420 (2000)
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[Publications] 宮部豪人: "Asymmetric Synthesis of α-Amino Acids Based on Carbon Radical Addition to Glyoxylic Oxime Ether"J. Org. Chem.. 65(1). 176-185 (2000)
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[Publications] 宮部豪人: "Stereocontrol in Solid-Phase Radical Reactions : Radical Addition to Oxime Ether Anchored to Polymer Support"Organic Lett.. 2(10). 1443-1445 (2000)
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[Publications] 宮田興子: "Unambiguous Characterisation of Dienylimines as Intermediates in Fischer Indolisation of o-Substituted N-Trifluoroacetyl Enehydrazines"Chem. Commun.. 2429-2430 (1999)