2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和適応型炭素-炭素結合形成反応の開発とコンビナトリアル合成への展開
Project/Area Number |
13557197
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
内藤 猛章 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00340935)
武田 良文 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70311678)
宮田 興子 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (90102110)
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Keywords | 環境調和 / ラジカル反応 / 炭素炭素結合形成 / ワンポット / 固相反応 / 水溶媒 / Fischer Indolization |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,新規ラジカル開始剤としてインジウムを用いた水中ラジカル炭素-炭素結合形成反応を基盤とする非環状および環状化合物の合成および各種酸無水物を用いた新規転位反応の開発に関する実験を継続中である. ラジカル反応に関しては,第一イオン化ポテンシャルが低いにも拘わらず水中でも非常に安定な金属であるインジウムの特徴を生かしたラジカル反応を初めて開発した.これまでインジウムは活性化されたハロゲン化アルキルを用いるBarbierタイプの反応に用いられていたが,我々はインジウムが単純なハロゲン化アルキルへの一電子移動が進行し,発生した炭素ラジカルが多重結合に付加することにより炭素-炭素結合形成反応が効率的に進行することを見出した.本アルキルラジカル付加反応は分子間および分子内反応でも極めてスムースに進行し,各種アミノ酸や官能基化された環状化合物が高収率で合成できることが判明した.すなわち,オキシムエーテルおよびヒドラゾンのようなイミン類への炭素ラジカル付加反応は極めて緩和な反応条件下において炭素-炭素結合形成反応が進行した.本研究により開発中のラジカル反応は,使用する溶媒や試薬などが市販品そのものを使用しても効率的に進行することから環境調和適応型反応といえる. 転位反応に関しては,昨年度までに開発した緩和な反応条件下でのFischer indolizationを参考にして,基質として0-アリールオキシムエーテルを用いることにより環境調和型ベンゾフラン類の効率的な新規合成法の開発を行った.本法は極めて緩和な反応条件下での合成反応であるため,保護基の必要のないベンゾフラン類の合成法として期待され,現在天然物などの合成を検討中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 上田 昌史: "Indium-mediated tandem radical addition-cyclization-trap reactions in aqueous media"Org.Lett.. 5・21. 3835-3838 (2003)
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[Publications] 宮部 豪人: "Asymmetric synthesis of α-amino acids : indium-mediated reactions of glyoxalin oxime ether in aqueous media"Chem.Commun.. 1454-1455 (2002)
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[Publications] 宮部 豪人: "Tandem-carbon-carbon bond-forming radical addition-cyclization reaction of oxime ether and hydrazone"J.Org.Chem.. 68・14. 5618-5626 (2003)
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[Publications] 宮部 豪人: "Radical addition to oxime ethers for asymmetric synthesis of β-amino acid derivatives"Org.Biomol.Chem.. 1. 381-390 (2003)