2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミスマッチ認識分子素子を用いたSNPsの迅速検出システムの開発
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13557216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70237303)
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Keywords | ナフチリジンダイマー / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
遺伝子の一塩基変異を迅速簡便に検出できるセンサーの蘭発を目指して研究を進めた。先に我々は、GからCへもしくはその逆の変位をもつ野生型と変位型遺伝子を混合することにより生成するG-Gミスマッチに結合する分子ナフチリジンダイマーを開発している。我々の方法は即ち、検査対象の遺伝子を野生型遺伝子と混合してG-Gミスマッチが生じるかどうかで変異の有無を判断できる。表面プラズモン共鳴は、金表面上の質量変化を高感度に検出できる測定手法であり、タンパク-タンパク、DNA-タンパク相互作用の解析に用いられるが、低分子を固定化しDNAを検出する手法への応用は無かった。ナフチリジンダイマーによるG-Gミスマッチ以外のミスマッチを検出するために、新たなリガンド分子の開発を検討した。その結果、G-Aミスマッチに結合するナフチリジン-アザキノロンハイブリヅドの開発に成功した。この分子を固定化したチップで各種ミスマッチを含むDNAを解析したところ、G-AミスマッチDNAについて大きなレスポンスが得られた。さらにこの分子を二分子リンカー末端にもつセンサーを開発したところ、センサーの検出感度がきわめて向上した。G-Tミスマッチは、水素結合パターンがマッチする分子を用いているにもかかわらず、安定化出来ない。G-G、G-A、A-Aミスマッチは全てプリン塩基だけが関わるミスマッチであったので、ピリミジン塩基であるTの認識には根本的に何か考えが足りない可能性がある。
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