2002 Fiscal Year Annual Research Report
水分泌細胞特異的新規蛋白質parchorinをターゲットとした病態モデルの開発
Project/Area Number |
13557220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
漆谷 徹郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40262159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 拓 国立医薬品食品衛生研究所, 所長(研究職) (30217971)
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Keywords | parchorin / ノックアウトマウス / CLICファミリー蛋白質 |
Research Abstract |
本年度の目的は,parchorinノックアウトマウスを作成するため,マウスparchorinの遺伝子構造を明らかにすることであった.前年度マウス胃粘膜から精製したparchorinから決定したペプチド断片のアミノ酸配列,及びデータベースに現れたマウスゲノム情報の部分配列からマウスparchorinのプライマーを設定し,マウス脈絡叢mRNAからRT-PCRによりクローニングを行った.その結果,マウスparchorinと思われるcDNAの全塩基配列を決定することができた.全長596アミノ酸とウサギ(637)および最近データベース上で明らかになったヒトparchorin (665)に比べると短いが,C末端のCLIC共通配列はほとんど保存されており,また全体の等電点や水溶性も近いものであった.興味深いことに,ウサギN末端配列に特徴的であった,SVDAGGの15回反復配列は,ヒトparchorinではSVEAEGRVGDの11回反復配列に変わっていたが,マウスには,相当する反復配列が存在しない,もしくは反復配列の規則性がかなり乱れていると考えられた.ウサギの配列で決定したカゼインキナーゼII3つののリン酸化部位83,338,393番目のセリンのうち,83番目はほぼ保存されていたが,他の2箇所は保存されていなかった.従って,この83番目のセリンのリン酸化が最も重要であると考えられた.現在,マウスparchorin特異的配列に対する抗体,マウス・ヒトparchorin共通配列に対する抗体,さらにマウスparchorin全長に対する抗体をウサギに作成中である.また,現在マウスゲノム配列から,parchorin遺伝子地図を作製し,ノックアウトマウス作成のためのデザインを行っている所である.15年度中にはノックアウトマウスが誕生する予定である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Mizukawa, T.Nishizawa, T.Nagao, K.Kitamura, T.Urushidani: "Cellular Distribution of Parchorin, a Chloride Intracellular Channel-Related Protein, in Various Tissues"Am.J.Physiol. Cell Physiol.. 282. C786-C795 (2002)
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[Publications] Shanks RA, Larocca MC, Berryman M, Edwards JC, Urushidani T, Navarre J, Goldenring JR: "AKAP350 at the Golgi apparatus. II. Association of AKAP350 with a novel chloride intracellular channel (CLIC) family member"J. Biol. Chem.. 277. 40973-40981 (2002)
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[Publications] J.Matsukawa, K.Tashiro, T.Nagao, T.Urushidani: "Role of small GTP-binding proteins and cytoskeleton in gastric acid secretion"Inflammopharmacol.. (in press). (2003)
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[Publications] T.Urushidani, J.G.Forte, G.Sachs (Eds): "Mechanisms and Consequences of Proton Transport"Kluwer Scientific. 372 (2002)