2002 Fiscal Year Annual Research Report
おいしい焼き物用調理機器開発を目的とした伝熱方式の制御可能な試験用オーブンの作製
Project/Area Number |
13558008
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
畑江 敬子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (50156337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香西 みどり お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (10262354)
小西 雅子 東京ガス(株), 主任研究員
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Keywords | オーブン / 伝熱特性 / 受熱速度 / 銅球 / 放熱 / 庫内温度 / 放射伝熱量 / 対流伝熱量 |
Research Abstract |
本研究では、庫内温度が常温から350℃の範囲で、風速が3.0m/sから9.0m/sの範囲で放射伝熱あるいは対流伝熱により食品を加熱できるオーブンを試作した。昨年度は、このオーブンを用いて実験を行い、食品が受ける熱量を表わす指標として、100℃までの銅球の温度上昇曲線から算出した受熱速度を提案し、この値を用いることによりオーブンの加熱能力を比較検討できることを確認した。今年度は、さらにこの受熱速度を用いて、オーブン庫内の伝熱特性を調べるとともに、実際に食品を加熱し、受熱速度により食品の仕上がりを制御する方法を確立することを目的とした。 市販オーブンの庫内において放射伝熱量の占める割合(以下、放射割合)は、伝熱方式および機種により異なり、放射式オープンでは約30〜60%、対流式オーブンでは約10〜20%であった。試作オーブンによる実験結果から、放射割合には伝熱方式の違いが極めて大きな影響を及ぼすこと、さらに放射割合は、庫内温度が100℃違えば約5〜10%異なること、また風速が6.0m/s違えば約5〜15%異なることが明らかになった。 実際に食品を加熱した結果、厚みが薄い場合など、短時間で加熱が終了する食品については、その仕上がり状態は放射割合に係らず単に受熱速度で制御できることが示唆された。しかし、長時間加熱する必要がある食品の場合には、その仕上がり状態を受熱速度のみで制御することはできず、伝熱割合の影響も考慮する必要があることがわかった。この場合、加熱条件を放射割合約60%を基準に二つに分ければ、仕上がり状態は受熱速度で制御できることが示唆された。
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