2002 Fiscal Year Annual Research Report
気軽な会話を論理的討論に導く建設的会話支援システムの開発
Project/Area Number |
13558020
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Research Institution | AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐伯 胖 青山学院大学, 文学部, 教授 (60084448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 達也 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20214554)
佐長 健司 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (50253571)
楠 房子 多摩美術大学, 美術部・情報学科, 助教授 (40192025)
吉川 厚 (株)NTTデータ, 開発本部, 課長(研究職)
原 久太郎 (株)大日本図書, C&Vセンター, 部長(研究職)
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Keywords | 協調的行動 / 協調的会話 / 協調学習 / CSCL / ディベート / グループ学習 / 科学的議論 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、「気楽な」会話を誘うモード(YOUモード)から、ものごとを論理的に探求する会記のモード(THEYモード)へと移行し、互いの意見を論理的に「つなげる」会話を支援するコンピュータ・システム(建設的会話支援システムConstructive Conversation Support System : CCSS)を構築するものである。このシステムは、パソコン上のチャットシステムで、特定の「リード文」ないしは「つなぎ語」を選択して発話することにより会話を支援するシステムである。「気楽な会話」支援からしだいに「論理的討論」への移行は、すべてこの「リード文」で行われる。会話はすべて文字入力とし、会話の流れは、共有画面上にネットワーク表示される。会話での参入は、そのネットワークの流れのどこにでも、他人の発言に「つなげる」ことで可能である。 14年度は、教室内での一般的な討論支援のほか、ディベート授業での討論支援するための討論支援システム(Discussion Support System : DSS)を新たに開発した。リード文は、与えられた対立課題について、「メリット」、「デメリット」、「なぜなら」、「そうじゃなくて」、「たとえば」、「まとめると」といったような、ディベート用の発言をうながすものとした。 さらに、コンピュータ教室での端末機による利用のほかに、Sun MicrosystemsのPersonal Javaを搭載した携帯端末PDA(Genio e550GX)で利用するシステムも開発した。PDAを、無線LANで利用しネットワークに接続することにより、ノートPCなどの大きな端末を利用することなく、会話に参加することが可能である。 これらのシステムは、中学校の理科の授業や、社会科のディベート授業で活用したが、活発な会話が支援され、生徒たちにも大変好評であった。 本年度は、最終年度にあたるので、これまでの成果を報告書にまとめた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 杉本 美穂子, 佐伯 胖, 楠 房子: "科学教育における建設的会話支援システムの活用"科学教育研究. 26巻・1号. 56-65 (2002)
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[Publications] 佐長 健司: "教師による社会科カリキュラム開発の実際的方法"社会科教育研究. 第87号. 75-86 (2002)
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[Publications] 佐長 健司: "社会科と総合学習との融合カリキュラムの開発"佐賀大学文化教育学部研究論文集. 7集・第1号. 1-14 (2002)
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[Publications] 亀田 達也: "人間行動生態学と進化心理学-適応的視点の意義と両者の関係をめぐって"児童心理学の進歩. 第41巻. 313-317 (2002)
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[Publications] Kameda, T., Takezawa, M., Hastie.R.: "The logic of social sharing : An evolutionary game analysis of adaptive norm development"Personality and Social Psychology Review. Vol.1No.1. 2-19 (2003)
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[Publications] Kameda, T., Nakanishi, D.: "Does social/cultural learning increase human adaptability? Rogers'question revisited"Evolution and Human Behavior. Vol.24(印刷中). (2003)