2002 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー重イオン輸送モンテカルロ計算のコードの開発
Project/Area Number |
13558059
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 尚司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70026029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義沢 宣明 三菱総合研究所, 総合安全研究センター・原子力システム研究部, 主任研究員(研究職)
馬場 護 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (20005466)
岩崎 智彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70184869)
船曳 淳 三菱総合研究所, 総合安全研究センター・原子力システム研究部, 研究員(研究職)
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Keywords | 重イオン / モンテカルロ / 核内カスケード / 蒸発モデル / エネルギー吸収 / 中性子生成 / 物質透過 |
Research Abstract |
本研究では、まず最初に核内カスケード・蒸発モデルに前平衡放出を加えたモデルに基づくハドロン輸送モンテカルロコードHETC-3STEPと、同じく核内カスケード・蒸発モデルに基づき重イオン核反応を計算するHICコード、物質中での重イオンのエネルギー吸収及び減衰を求めるSPARコードとShenの式を結合して、新しく重イオン輸送モンテカルロコードHETC-CYRICを開発した。この新しいコードの精度は、放射線医学総合研究所の重イオン加速器HIMACの高エネルギー重イオンによりC,Al,Cu,Pbのターゲットから生成される中性子のエネルギースペクトルの実験値と比較することにより検証した。計算値は実験値と2-3倍以内で良い一致を示した。このコードは計算時間が早い利点を持つが、汎用性が少ない欠点がある。 そこで、さらに良い一致を目指して、HICコードよりも精度が良い量子動力学モデルに基づくQMDコードに置き換え、蒸発モデルも新しいGEMコードを導入し、HETC-3STEPに替えてより高エネルギーまで適用可能なNMTC/JAMを使用し、より汎用性に優れたPHITSコードを開発した。このコードは重イオンによる中性子生成計算だけでなく、荷電粒子の生成計算、核破砕反応生成核種分布の計算、重イオン生成中性子の遮蔽体透過計算等を行い、HIMACでの実験値と比較した結果、いずれも充分な精度で実験値を再現出来た。また、入射粒子及び2次生成粒子の物質中でのエネルギー沈着量の計算も出来るように改良した。このコードは様々な重イオン研究に利用できる世界で始めて開発された汎用コードであり、既にあちこちで利用され始めている。
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Research Products
(1 results)