2002 Fiscal Year Annual Research Report
高速重イオンの電子的スパッタリングを用いた巨大クラスターイオン発生手法の確立
Project/Area Number |
13558061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今西 信嗣 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (60263117)
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Keywords | スパッタリング / クラスターイオン / 重イオン照射 / 電子的スパッタリング / ナノテクノロジー / ナノスケール加工 / 放出エネルギー分布 / レーザ照射 |
Research Abstract |
本研究組織は、電子的衝突過程が支配する速度領域で、これまでの常識に反して異常に大きい収率でスパッターが生じることを見出した。この現象を利用すればさまざまな化学種について任意のサイズのクラスターイオン種を発生できる。しかも、線形カスケードによる放出イオンと異なり、エネルギー分布は非常にそろっている。本研究課題では、エネルギーの良くそろった任意の化学種とサィズのクラスターイオンビームをピコからナノアンペアの強度で生成しうる手法を確立する。 1.MeVエネルギーの重イオンを固体に照射したときに放出される原子状およびクラスターイオンの質量分布およびエネルギー分布を飛行時間分析法により求めた。 2.固体の物性や表面構造への2次イオン放出機構依存について調べるため、導体や不導体ならびに化合物半導体試料を用いた。 3.導体試料では、単原子イオンが主として放出され、そのエネルギー分布は幅が広い。クラスターイオンの放出率はきわめて低い。不導体試料では、放出エネルギーの極めて低い大きなクラスターイオンが放出される。放出機構は試料により大きく異なる。 4.Ga-V族およびIn-V族化合物半導体については、化合物により、クラスターイオンが放出するものと放出しないものとがある。この場合も放出機構が試料により大きく異なる。 得られた結果は取りまとめ順次公表する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 二宮 啓: "Material-Dependent Emission Mechanism of Secondary Atomic Ions from Solids under MeV-Energy Heavy Ion Bombardment"Nuclear Instruments and methods B. 193. 745-750 (2002)
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[Publications] 二宮 啓: "Cluster-Ion Emission from Semiconductive Chemical Compounds under MeV-Energy Heavy Jon Bombardment"Nuclear Instruments and methods B. (In press).
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[Publications] 二宮 啓: "Secondary Ion Emission from Insulators and Semiconductors under MeV-Energy Heavy Ion Bombardment"Proc. of the 18th Japan-Russia Int. Symp. on Interaction of Fast Charged Particles with Solids. Kyoto Japan, 2002. 141-145 (2003)
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[Publications] 二宮 啓: "Secondary Ion Emission from Semiconductive Materials under MeV-Energy Heavy Ion Bombardment"Annual Report of Quantum Science and Engineering Center 2002. 4. 1-3 (2002)
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[Publications] 今田 千景: "Cluster Ion Emission from GaSb and InSb by MeV Heavy Ion Bombardment"Annual Report of Quantum Science and Engineering Center 2002. 4. 4-6 (2002)
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[Publications] 永井雅史: "Secondaxy Ion Emission from SiO_2 Surface by Laser Irradiation"Annual Report of Quantum Science and Engineering Center 2002. 4. 7-9 (2002)