2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境ウラン・プルトニウム標準試料の作製と頒布-多様化する核燃料利用に向けて
Project/Area Number |
13558067
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 隆之 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60314291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 俊行 原子炉実験所, 助手 (10314296)
窪田 卓見 原子炉実験所, 助手 (90335240)
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Keywords | 環境ウラン / 同位対比分析 / 標準試料 / 前処理 / 苔類 / クロスチェック |
Research Abstract |
平成16年度は最終年度であるため、これまで得られたウランの同位体質量分析結果の検証を進めた。クロスチェックについて:前年度までの調査の結果から、日本原子力研究所等、幾つかの外部研究機関においては、実験時の外的環境(試薬や実験室雰囲気)からのコンタミネーションの影響を最小限に抑えることができることが分かっている。頒布用にクリーンルーム内で大量の試料から不純物をできる限り分別し、乾燥・粉砕等の処理を行った複数のコケ類試料について、測定の前処理条件を統一して分析を行うよう依頼したところ、コンタミネーションも無く、我々が独自に得た同位対比結果を再現することができた。また、検出限界もこれまでの結果を上回るものであったため、データ公表の準備を進めている。 環境試料からの目的元素の濃縮方法について:分析装置自動化を視野に入れた極微量湿式抽出分析法の開発を進めてきたが、その中で微量試料からの当該核種の選択的な濃縮法の開発に成功したことが大きな成果である。本研究では対象外であったアクチノイド以外の核種についても、濃縮できる可能性を見出せたことから、今後の環境同位対比研究における一つの方向性を打ち出せたと考えている。以上の結果から、本研究課題の日的は達成され、今後、同様の手法を用いることにより、我が国固有の性質を有する土壌や堆積物等へ適用可能であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)