2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70167584)
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Keywords | 糖鎖ポリマー / 生分解性ポリマー / 芳香族ポリエステル / オリゴ糖 |
Research Abstract |
本研究では、材料の物性こそがまず重要であるという観点から、どんな種類の高分子材料にも生分解性を付与してしまおうという全く新しい試みを行う。すなわち、目的に合った物質特性を有する各高分子材料に生分解性を付与していこうという積極的な立場で新素材開発に取り組んでいこうとするものである。具体的には、種々の高分子材料の分子鎖中に単糖あるいはオリゴ糖鎖を組み込み、材料本来の物性を損なうことなく生分解性を付与していこうという試みを行う。さらに、糖鎖部分がどのような構造であれば生分解を受けるのか、すなわち、生分解されるために必要な糖鎖の最小単位は何であるのかを明らかにすることを目的とする。 本年度は、ラクトースを出発原料として特定位置のヒドロキシ基とテレフタロイルクロリドとの反応による直鎖状のポリエステルの合成を行った。D-ラクトースのC-6位とC-6'位にある第一級ヒドロキシ基を選択的にトリチル基で保護し、第二級ヒドロキシ基を有する他の位置にはアセチル基を導入した。脱トリチル化の反応では、アシル転移が起こり、C-6位とC-4'位にフリーの水酸基を有するアセチル化ラクトースを合成した。得られた1, 2, 3, 2', 3', 6'-ヘキサーO-アセチル-D-ラクトースと二塩化テレフタロイルを反応させることにより、オリゴ糖鎖を有するポリエステルを合成した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Hatanaka, J.Oishi, A.Tsuda, S.Matsunaga, M.Kunou, et al.: "Specific Adhesion of 3T3-L1 Fibroblast onto Uridine-Containing Polystyrene"Macromol.Biosci.. 1・9. 397-400 (2001)
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[Publications] 畑中研一, 白石竜司, 鬘谷要, 奥山光作: "主鎖中にオリゴ糖鎖を有する芳香族ポリエステルの合成"日本化学会誌. 2002・1. 53-55 (2002)
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[Publications] K.Katsuraya, Y.Imoto, K.Okuyama, K.Hashimoto, H.Takei, R.Aono, K.Hatanaka: "Synthesis of Oligosaccharide with Controlled Sequence"Carbohydr. Lett.. 4・2. 131-136 (2001)
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[Publications] 畑中研一, 粕谷マリアカルメリタ, 大倉一郎: "二酸化炭素固定化は必要か?"生産研究. 54・1,2. 95-98 (2002)
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[Publications] 畑中研一, 秋吉一成, 佐藤智典, 西村紳一郎, 他33名: "季刊化学総説No.48糖鎖分子の設計と生理機能"学会出版センター. 225 (2001)