2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558071
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70167584)
|
Keywords | オリゴ糖 / 生分解性ポリマー / マルトース / 重縮合 / アジド化合物 / ポリアミド |
Research Abstract |
ポリマー中のオリゴ糖鎖部分として、位置特異的に置換したマルトースを合成した。マルトースの二つの一級水酸基をトシル基で置換し、他の水酸基をアセチル化した後、アジ化ナトリウムで置換することにより、目的のモノマーであるジアジド化マルトースを合成した。マルトースのトシル化を行い、精製しないでそのままアセチル化を行った。トシル化を室温で行うと二級水酸基も反応して多置換体が得られた。一方、-30℃で反応すると反応がほとんど進行しなかった。0℃で反応すると、モノ置換体、ジ置換体、トリ置換体の混合物が得られたため、これをアセチル化して精製するのが最も収率良く生成物を与えた。6,6'-ジ-O-トシル-1,2,3,2',3',4'-ヘキサ-O-アセチル-D-マルトースのアジド化反応は、未反応物が系内に残ってしまうために収率が低かった。アジ化ナトリウムの量を増やしても変化は見られなかった。また、モノアジド化体とジアジド化体の極性が近いので、二種類の溶媒系を用いて、カラムクロマトグラフィーを2回行うことにより精製した。 ポリアミドを合成する重縮合反応を行った。6,6'-ジアジド-6,6'-ジデオキシ-1,2,3,2',3',4'-ヘキサ-O-アセチル-D-マルトース300mg (0.46mmol)を脱水ジクロロメタン4.6mLに溶解し、室温で撹拌しながらトリフェニルホスフィン145mg (0.55mmol)を加えた。反応系内から気体(窒素)が発生し始めたらテレフタル酸クロリド93.2mg (0.46mmol)を加え、室温で72時間撹拌した。テレフタル酸クロリドの量をモノマーの2倍にすると、分子量が830の生成物を与えた。これは、アジド基が一つだけ還元され、テレフタル酸クロリド1分子と反応したものと考えられる。等モルで反応させたものは、2.5量体を与えた。一方、DMF中のテレフタル酸を用いて縮合剤(N,N-ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド)により反応すると、テレフタル酸の両端にマルトース誘導体が結合したと思われる生成物を与えた。本来、二官能モノマー同士の重縮合では厳密に等モル量のモノマーを用いる必要が有るが、本研究ではアジド基の還元が完全に起こっていなかったために低分子量の生成物のみを与えたと考えられる。したがって、今後はアジド基を効率的に還元し、ジアミノ誘導体を得ることが課題となる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.C.Z.Kasuya, K.Hatanaka, et al.: "Fluorous-tagged compound : a viable scaffold to prime oligosaccharide synthesis by cellular enzymes"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 316. 599-604 (2004)
-
[Publications] K.Katsuraya, K.Okuyama, K.Hatanaka, et al.: "Constitution of konjac glucomannnan : chemical analysis and 13C NMR spectroscopy"Carbohydr.Polym.. 53. 183-189 (2003)
-
[Publications] A, Kai, M.Kikawa, K.Hatanaka, et al.: "Biosynthesis of hetero-polysaccharides by Pestalotiopsis microspora from various monosaccharides as carbon sorce"Carbohydr.Polym.. 54. 381-383 (2003)