2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558082
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (70126118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑田 一夫 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00170142)
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Keywords | 高圧NMR / アミロイド病 / リゾチーム / プリオン |
Research Abstract |
1.アミロイド様フィブリル形成前駆体となる、4本のSS結合をすべて欠くリゾチーム変異体の17S水溶性会合体の安定性はモノメリックユニット1モルあたり23kJ、ベータシート含有量は約40%、高圧による解離にともなう体積減少は53mL程度であった。 2.2種のモノクローナル抗体を用いた免疫化学的手法により、SS結合形成と共役したリゾチームのfoldingにおいて、アルファドメインの方がベータドメインより先に3次構造を形成することがわかった。 3.会合体の形成度合は、アルファドメインの2本のSS結合を保持しベータドメインの2本のSS結合を欠損する変異体よりも、ベータドメインの2本のSS結合を保持しアルファドメインの2本のSS結合を欠損する変異体の方が大きい。 4.カリフォルニア大学サンフランシスコ校との共同研究により調製された15N標識ハムスタープリオン蛋白の高分解能高圧NMR測定を行った。正常ハムスタープリオンは安定な天然構造を形成しているが、圧力を加えることにより構造が破壊された。このプロセスを原子分解能で追跡することにより、グローバルなダイナミクスや熱安定性の差が明らかとなった。プリオン分子内部においてはB, Cヘリックスが相対的に不安定であり、さらにCヘリックスとS1/S2界面が特に壊れやすいことが明らかとなった。 5.フォックス・チェイス癌センターとの共同研究により、マウスプリオン部分ペプチド(106-126)を合成し、電顕的にアミロイドを形成することを確認した。また、CD測定ならびに保護因子測定を行い、このアミロイドの構造特性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Jarrett, N.M.: "Immunochemical Pulsed-labeling Characterization of Intermediates during Hen Lysozyme Oxidative Folding"Protein Science. 11. 2584-2595 (2002)
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[Publications] Tachibana, H.: "Disulfide-associated protein folding"Encyclopedia of nanoscience and nanotechnology. (in press). (2003)
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[Publications] Kuwata, K.: "An emerging concept of biomolecular dynamics and function : applicationsof NMR & MRI."Magn. Reson. Med. Sci.. 1. 27-31 (2002)
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[Publications] 桑田 一夫: "プリオン病の構造医学"蛋白質・核酸・酵素. 47. 1292-1298 (2002)
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[Publications] Kuwata, K.: "Metastable conformers of the hamster prion protein characterized by high pressure NMR"Biochemistry. 41. 12277-12283 (2002)
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[Publications] Negawa, T.: "The importance of sample preservation temperature for analysis of the redox state of human serum albumin"Clin. Chim. Acta. 316. 175-178 (2002)