2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 繁 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40108634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IGORI Kudryashov 東京インスツルメント株式会社, 研究員
三野 広幸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70300902)
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Keywords | ナノ空間 / 植物多様性 / 顕微鏡 / 顕微分光 / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
(1)蛍光発光スペクトル顕微分光の改良> ★共焦点顕微鏡の検出側に蛍光のスペクトルを分散できるモノクロメータと高感度冷却CCDをつけ、0.2ミクロンの空間分解能での位置スキャンと蛍光発光スペクトルの測定を可能にした「ナノファインダー(東京インスツルメンツ社製、半導体の表面分析が主目的)」を生物試料に適合したものに改造した。 ★まず微小面積に集中される励起光をできるだけ弱くした。モノクロメータを通した発光は微弱となり感度が低下したが。幸い本装置の光集光特性と検出器のくみあわせでの量子効率(感度)は15%と極めて高く、かなりの余裕があり、さらにホトンカウンタの利用、3次元スキャン速度のハード、ソフトの高速化、で一層の高率化をはかり、試料にダメージを与えないものへと改善することができた。 ★アルゴンレーザを励起光源として、モードのよい励起光を光ファイバー結合で導入し、駆動ソフトの製作、励起光モニタの改善をおこなった。 ★励起光源、検出器両側をさらに改良した。試料からでた光を1ミクロンのスリットを通した後、モノクロメータに入射し、検出側にホトマルとストリークカメラによる光量子計測機能を加え、これらを同期させて精密制御するソフトウエアの開発も計画している。低温顕微鏡への拡張と単一分子スペクトル測定への利用が今後の課題である。 (2)多様な対象についての測定を行い、性能の評価と多様性研究を行った。これまでに以下の植物の顕微鏡下での分光スペクトルの測定をおこなった。多細胞性シアノバクテリアであるNostoc sp.,Anavena variabilisの細胞の多様性、細胞分化をクロロフィルとフィコシアニンの蛍光測定により検討した。単細胞性シアノバクテリア、Synecocystis6803の部位特異的変異株6種の細胞毎の違いの特定。 珊瑚内部のグリーン蛍光タンパク質と細胞内共生藻類の微小蛍光測定。寒冷ストレスにさらされたアカシア葉の内部葉緑体の細胞内部位による損傷の違いの蛍光測定による観察。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Itoh, S.Iwaki, M.and Ikegami, I: "Modification of photosystem I reaction center by the extraction and exchange of Chlorophylls and quinones"Biochimica et, Biophysica Acta. 1507. 115-138 (2001)
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[Publications] Mino, H.and Kawamori, A: "EPR studies of the water oxidizing complex in the S1 and the higher S-states : the manganese cluster and YZ radical"Biochimica et Biophysica Acta. 1503. 112-122 (2001)
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[Publications] Ono, T., Rompel, A., Mino, H.and Chiba, N.: "Ca^<2+> function in photosynthetic oxygen evolution studied by alkali metal cation substitution"Biophysical Journal. 81. 1831-1840 (2001)