2001 Fiscal Year Annual Research Report
Mo,Tなどの原子薄膜を極低温超高真空下で作製できる凍結レプリカ装置の試作
Project/Area Number |
13558091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30143415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 政史 (株)日立サイエンスシステムズ, 電子装置システム設計部, 主任研究技師
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Keywords | 蛋白質複合体 / 膜骨格 / 膜の裏打ち / 電子顕微鏡 / EELS / フリーズエッチングレプリカ / 免疫分子化学 / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は細胞内その場分子複合体構造解析を目指した次世代の凍結レプリカ装置の開発とその応用である。EELS顕微鏡の出現によって、これまでのようにレプリカを完全に洗浄する必要はなくなった。実際、膜骨格などを付着させたままのレプリカの方が膜蛋白と骨格の関連がよくわり、また膜骨格や膜内の元素分析や免疫染色が同時にレプリカ上で可能となることから、膜のドメイン構造などを明らかにすることが出来る。本年度はタングステン蒸着による高分解能レプリカを作るため早急に新しい装置を試作した。真空排気系は以前開発したFR7000(日立サイエンスシステムズ)をベースに作製したため、容易に完成にこぎ着け、液体窒素で冷却した状態で10^<-6>Paという高真空を得ることが出来た。また、蒸着電源を5KVまで上昇させたためタングステンの蒸着が容易にできるようになった。しかし、タングステンを支える電極としてカーボンを用いたためカーボン蒸着も同時に行われてしまうため、これまで以上の高分解能レプリカを作製するに至っていない。本研究は次年度までの継続研究であることから、応用研究とともにタングステンを支える電極について工夫を凝らす予定である。これまでに明らかになったことは被覆小穴やカベオラが膜骨格のアクチン、スペクトリンと密接な関係にあることである。また、我々は細胞膜標本を採取する方法を確立したため、金コロイド抗体を用いて、一つの蛋白分子を同定することが可能となった。このようないわば免疫分子化学が確立できたので次年度では膜裏打ち構造において如何なる蛋白がどのような構築を形成しているかを明らかにできると考えている。また、膜裏打ち蛋白質の三次元構築が癌化などの病気により、如何なる変化をするかは大変興味があり今後の研究課題である。
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Research Products
(1 results)