2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558097
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Research Institution | OKAZAKI NATIONAL RESEARCH INSTITUTES |
Principal Investigator |
中井 淳一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80237198)
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Keywords | GFP / 蛍光 / 膜電位 / バイオセンサー / 電位依存性カリウムチャネル / 分子生物学 |
Research Abstract |
細胞膜の膜電位は特に神経細胞や筋肉細胞などの興奮性細胞の情報伝達に重要な役割を担っており、膜電位を測定することはこれらの細胞の機能を研究する上で不可欠である。この研究の目的はGreen Fluorescent Protein (GFP)を用いて蛋白性電位センサープローブを開発し、in vivoで細胞膜の電位変化を可視化する技術を開発することにある。 まず分子生物学的方法によりクローン化した電位依存性カリウムチャネルの電位センサー部分(S4領域)にGFPを挿入し細胞に発現させた。しかしGFPをS4の直後にGFPを組み込んだときはGFPの蛍光がほとんど観察できなかった。そこでGFPをS1の直前、S3の直前、S4の直前に組み込んだセンサー分子を新たに作成した。これらは蛍光を発する蛋白質を生成することがわかった。またS4以降を欠失した電位依存性カリウムチャネルを用いS4直後にGFPを付加した。この場合も蛍光蛋白質を生成することが明らかとなった。ただ電位依存性カリウムチャネルの一部分を欠失させると生成された蛋白質は細胞内(主に小胞体、ゴルジ器官、核膜)に留まり、細胞表面の形質膜に発現しているものは極一部であった。次にこの点を改善するため、形質膜に発現することが知られているアミノ酸転移酵素と開発中の電位プローブのfusion蛋白質を作成し検討した。その結果、プローブ蛋白質の形質膜への移行が促進され、この方法が有効であることがわかった。現在はまだ電位センサープローブの蛍光変化量が極小さいが今後デザイン、DNA配列を検討し蛍光変化量が増加するよう研究を進めて行く予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Proenza, C.: "Identification of a region of RYR1 that Participates in allosteric coupling with the α_<1S>(CaV1.1)II-III looP"J. Biol. Chem.. 277. 6530-6535 (2002)
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[Publications] Protasi, F.: "Multiple regions of RyR1 mediate functional and structural interactions with α_<1S>-DHPR in skeletal muscle"Biophys. J.. 83. 3230-3244 (2002)
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[Publications] 中井淳一: "GFPを用いた蛍光カルシウムプローブG-CaMPの開発"比較生理生化学. 19. 135-145 (2002)