2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 保忠 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40201339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 龍郎 新田ゼラチン株式会社, 生物化学研究所, 所長
水野 一乘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70251337)
林 利彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60090528)
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Keywords | IV型コラーゲン / レンズカプセル / IV型コラーゲンゲル / コラーゲンゲル / 多細胞メッシュワーク |
Research Abstract |
1.ウシレンズカプセルよりIV型コラーゲン抽出・精製法の検討 レンズカプセルは特殊な基底膜であり、大部分がIV型コラーゲンからなる。IV型コラーゲン抽出の出発材料としてウシ眼球レンズカプセルは最適の材料である。抽出・精製方法の改良は、前処理、抽出条件、再溶解に着目し、現時点で最良の条件が得られた。ところが平成13年9月以来のBSE騒動によりウシ材料の大量入手が事実上不可能である。IV型コラーゲンの出発材料を再検討せざるを得なくなった。ウシに代えてブタよりレンズカプセルを摘出したが、一個あたりの重さがウシの約1/10程度であり、大量調製や安定的に入手するのには難があることが分かった。ブタ胎盤は比較的に入手が容易なことかわかったので現在検討している。しかし、IV型コラーゲンは非酵素的な抽出する必要があり、新しく抽出・精製する条件を確立する必要がある。また組織から抽出に代えて、培養細胞からの抽出方法の検討も開始した。 2.多細胞メッシュワーク形成に必要なIV型コラーゲンゲルの構造 IV型コラーゲンを円形ガラスカバー上でゲル化させ、そのまま風乾させると、周辺部が部分的に乾燥し中央部が盛り上がったゲル状の、いわばつば付きの帽子様の培養基質ができる。この基質上に血管平滑筋細胞を播種すると、中央部のゲル様の部分では細胞はメッシュワーク様の形態をとり、周辺部ではプラスティック上で培養された際の細胞の形態を示した。同一の試料から出発し、化学的な組成は同じと考えるものでも物質の性状が異なるだけで、細胞の応答は明瞭に異なった。この細胞基質はIV型コラーゲンによる多細胞メッシュワーク形成に及ぼす因子や条件を検討するよい実験系であることを示しており、解析的な研究に有効な培養系であることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yoshikawa, Y.Imamura, et al.: "Secretion of Non-Helical Collagenous Polypeptides of α1(IV)and α2(IV)Chains upon Depletion of Ascorbate by Cultured Human Cells"J. Biochemistry. Vol.129. 929-936 (2001)
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[Publications] K.Mizuno, Y.Imamura, T. Hayashi, et al.: "The fibril structure of type V collagen triple-helical domain"Micron.. Vol.31. 317-323 (2001)