2002 Fiscal Year Annual Research Report
完全埋込式、永久人工心臓トータルシステムの慢性動物実験による臨床応用への展開研究
Project/Area Number |
13558105
|
Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 裕国 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50202718)
中村 真人 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90301803)
坂本 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10101875)
伊藤 宏 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (10232464)
大内 克洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084)
|
Keywords | 心臓移植 / 左心補助人工心臓 / 全置換型人工心臓 / ブリッジユース / 永久人工心臓 / 抗血栓性 / 無拍動流人工心臓 / 拍動流人工心臓 |
Research Abstract |
1)耐久性の向上:平成14年度は、左心補助デバイスを埋め込んだ動物の長期生存を目標に、デバイスの耐久性の向上を図った。特に、モーターの速度制御システムの改善を行うことにより、アクチュエーターを支持しているベアリングへのインパクトを軽減することにより、ベアリングの寿命の増加を図った。従来のモータースピード制御信号は、収縮期・拡張期共に矩形波により駆動していたが、収縮初期、収縮末期から拡張期への移行期、そして拡張期末期においてスパイク状の過電流が流れていたため、ベアリングに過度の力が掛かるため、寿命を軽減していたと考えた。そこで、収縮初期は、制御電圧を初期電圧値から指数関数的に最高値まで増加させ、収縮末期から拡張期への移行期には、モーターを一旦停止させ、収縮初期と同様に指数関数的に制御電圧を最高値の80%まで増加させ、拡張末期にはブレーキ信号を用い、モーターの慣性力を徐々に軽減させた。結果、収縮初期、収縮期から拡張期への移行期、拡張末期におけるスパイク電流を軽減し、システム効率は約2%向上した。特に、拡張末期のベアリングへのインパクト力の軽減には大きな改善が見られた。この制御方法をVADに組み込み、生体環境を模擬する目的で、VADを37度Cの湯の中に沈め、平均後負荷100mmHgの後負荷に対して、毎分80BPMで連続駆動を行った結果、3ヶ月半連続運転ができた。停止理由については、ベアリングやアクチュエーター部の磨耗が考えられるが、現在解析中である。 2)慢性動物実験:1ヶ月以上の耐久試験の結果が可能になった時点において、同じ駆動制御方法を組み込んだVADを60、70Kgの2頭の仔牛に埋め込み生体反応の評価を行った。ポンプ内面流入・流出カニューレ内面は生体細胞膜を模擬したリン脂質ポリマー(MPC)でコーテイングした。VADは左心室心尖部と下行大動脈の間に装着し、胸腔内に埋め込み、駆動装置は体外に置いた。また、ヴェントポートは大気開放した。VADは、ホールセンサー信号を基に、Fill/Emptyモードで駆動した。結果、17、18日の連続運転が可能であったが、何れも、術後の動物管理方法が原因で実験を中止した。解剖の結果、ポンプ内及び流入・流出カニューレ内の血液接触面には、血栓形成は認めなかった。 3)今後の対策として、術後管理法の改善及び耐久性の向上を図り、3ヶ月の生存例の作成と体内完全埋め込み式システムとしての要素技術の開発を行い、臨床用トータルシステムとして完成させる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takatani Setsuo: "Beyond Implantble First Generation Cardiac Prostheses for Treatment of End-stage Cardiac Patients with Cinical Results in a Multicenter"Annals of Thoracic and Cardiovascular Surgery. 8(5). 253-263 (2002)
-
[Publications] Takatani S, Sakamoto T, Ouchi K, Nakamura M, Mizuno T, Arai H: "One Piece Ultracompact Totally Imaplantable Electromechanical Total Artificial Heart for Permanent Use"ASAIO J. 48(5). 538-545 (2002)
-
[Publications] Takatani S, Nakamura M, Ouchi K, Sakamoto T: "Ultracompact, totally implantable, permanent TAH"J Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 161-166 (2001)
-
[Publications] Takatani S, Nakamura M, Ouchi K, Sakamoto T: "Ultracompact, totally implantable, permanent, pulsatile VAD"J Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 407-412 (2001)
-
[Publications] Ohuchi K, Kikugawa D, Uemura M, Nakamura M, Murakami T, Sakamoto T, Takatani S: "Control strategy for rotary blood pumps"Artif Organs. 25(3). 366-370 (2001)
-
[Publications] Takatani S, Sakamoto T: "Mechanical circulatory assist devices for bridge to heart transplantation, bridge to recovery, or destination therapy"J Artif Organs. 3. 75-84 (2000)