2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13558119
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大和 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40267117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 和美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10256521)
堀 貞夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20143498)
清水 達也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40318100)
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Keywords | 温度応答性高分子 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 角膜 / 幹細胞 / 組織工学 / 再生医療 / 細胞シート工学 |
Research Abstract |
我々は細胞シート工学を提案し、その体系的追求に尽力している。細胞シート工学とは、生分解性高分子製足場を一切用いることなく、細胞-細胞間接着と細胞自身が培養の間に作り出す細胞外マトリックスによりシート状をなす細胞集団すなわち細胞シートを根幹単位として、細胞シートを用いて組織構造を再構築する技術の総称である。通常、培養細胞の回収に用いられるトリプシンなどのタンパク質分解酵素は細胞-細胞間接着を破壊してしまうため、通常、細胞シートとして回収することはできない。この問題を解決するため、我々は温度応答性培養表面を開発した。温度応答性培養表面には、温度に応じて親水性・疎水性を大きく変化させる温度応答性高分子が共有結合的に固定化されており、タンパク質分解酵素を用いることなく、温度を下げるだけで培養細胞をまったく非侵襲的に回収することができる。細胞シートは底面に培養の間に沈着した細胞外マトリックスを接着したまま回収されるため、容易に他の表面に接着する。温度応答性培養皿を用いて作製した角膜上皮細胞シートをウサギ角膜上皮幹細胞疲弊症モデルに移植し、十分な治療成績が得られることを確認した。通常、角膜移植では縫合が必須であるが、温度応答性培養皿を用いて作製した角膜上皮細胞シートは5分程度で角膿実質層に接着し、縫合の必要がまったくなかった。また、細胞-細胞間接着が維持されているため、移植直後からきわめて良好なバリア機能を有していた。これらの成果をふまえ、大阪大学眼科との共同研究により平成14年12月より臨床応用を開始し、全例で治療に成功した。本技術は熱傷やスティーブンス・ジョンソン症候群などの角膜上皮幹細胞疲弊症の治療に大きく貢献することが期待された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Nishida, M.Yamato, Y.Tano, T.Okano: "Functional bioengineered corneal epithelial sheet grafts from corneal stem cell expanded ex vivo on a temperature-responsive cell culture surface"Transplantation. 77(3). 379-385 (2004)
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[Publications] T.Shimizu, M.Yamato, A.Kikuchi, T.Okano: "Cell sheet engineering for myocardial tissue reconstruction"Biomaterials. 24. 2309-2316 (2003)
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[Publications] Y.Shiroyanagi, M.Yamato, Y.Yamazaki, H.Toma, T.Okano: "Transplantable urothelial cell sheets harvested noninvasively from temperature-responsive culture surfaces by reducing temperature"Tissue Engineering. 9(5). 1005-1012 (2003)
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[Publications] M.Harimoto, M.Yamato, A.Kikuchi, T.Okano: "Cell Sheet Engineering : Intelligent Polymer Patterned Surfaces for Tissue Engineered Liver"Macromol.Symposia. 195. 231-235 (2003)
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[Publications] M.Yamato, C.Konnno, S.Koike, T.Shimizu, A.Kikuchi, K.Makino, T.Okano: "Nanofabrication for micropatterned cell arrays by combining electron beam irradiated polymer-grafting and localized laser ablations"J.Biomed.Mater.Res.. 67A. 1065-1071 (2003)
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[Publications] M.Ebara, M.Yamato, M.Hirose, T.Aoyagi, A.Kikuchi, K.Sakai, T.Okano: "Copolymerization of 2-carboxyisopropylacrylamide with N-Isopropylacrylamide accelerates cell detachment from grafted surfaces by reducing temperature"Biomacromolecules. 4. 344-349 (2003)