2002 Fiscal Year Annual Research Report
反応性官能基を有する乳酸アミノ酸共重合体の分解性組織工学材料としての応用
Project/Area Number |
13558120
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大内 辰郎 関西大学, 工学部, 教授 (60067650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 秀明 (株)クラレ, 倉敷事業所・くらしき研究所(メディカル), 開発主管(研究職)
大矢 裕一 関西大学, 工学部, 助教授 (10213886)
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Keywords | ポリ乳酸 / ポリデプシペプチド / 組織工学 / 再生医学 / 生分解性材料 / 細胞培養 / 細胞分化共重合 / ランダム共重合体 |
Research Abstract |
今年度は、側鎖に反応性官能基を有するデプシペプチド-乳酸ランダム共重合体の組織工学材料としての基礎的評価として、共重合体をスポンジ状に成形し、その上での細胞培養における共重合組成の影響、および細胞培養中のフィルムの分解挙動について検討した。既に報告した方法に従い、側鎖にカルボキシル基またはアミノ基を有するデプシペプチド-乳酸ランダム共重合体を合成した。得られた共重合体をP-ジオキサン溶液から凍結乾燥することにより、表面に種々の量の負電荷または正電荷を有する生分解性スポンジを調製した。UV滅菌した共重合体スポンジ上で、L929マウス繊維芽細胞を培養し、細胞増殖速度に及ぼす表面荷電の種類と量の影響にっいて調べた。その結果、電荷をほとんど持たないポリ乳酸フィルムと比較して、正負どちらの電荷の場合であっても、少量の電荷を有する場合には、細胞の増殖率が向上することがわかった。また、細胞培養に伴なうスポンジの分解性を検討したところ、共重合体はポリ乳酸と比較して高い分解性を示し、デプシペプチドユニットの導入率が高いものほどその影響は顕著であった。さらに神経前駆細胞PC12を用いて共重合体フィルム上での細胞接着および神経細胞増殖因子(NGF)を用いた神経細胞への分化誘導について検討した。その結果、少量の電荷を有する場合には細胞接着率がポリ乳酸フィルムと比較して大きく向上することがわかった。フィルム上で培養したPC12細胞にNGFを加えて神経細胞への分化を調べたところ、ポリ乳酸フィルムでは全く細胞の形態変化・分化が見られなかったのに対し、少量の電荷を有する場合には、わずかながら神経突起の伸長が観察された。以上の結果から、デプシペプチド・乳酸ランダム共重合体は、良好な細胞接着・増殖特性を示し、分解速度の制御が可能な組織再生用足場として有用であることが示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Ouchi, Y.Ohya (他4名): "Synthesis of Biodegradable Amphiphilic AB-Type Diblock Copolymers of Lactide and Depsipeptide with Pendant Reactive Groups"J. Polym. Sci. Part A Polym. Chem.. 40(9). 1218-1225 (2002)
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[Publications] T.Ouchi, Y.Ohya (他4名): "Formation of Polymeric Micelle Having Amino Surface from Amphiphilic AB-Type Diblock Copolymers Composed of Poly(Glycolic Acid-Lysine) Segment and Polylactide Segment"J. Polym. Sci. Part A Plym. Chem.. 40(10). 1426-1432 (2002)
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[Publications] T.Ouchi, Y.Ohya (他2名): "Preparation of Poly(L-Lactide)-Based Microspheres Having Cationic or Anionic Surface Using Biodegradable Surfactants"Biomacromolecules. 3(5). 885-888 (2002)
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[Publications] 大矢裕一: "ポリ乳酸をベースとした新規な生分解性高分子の合成とバイオマテリアルとしての応用"高分子論文集. 59(8). 484-498 (2002)
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[Publications] T.Ouchi, Y.Ohya, H.Yamada, H.Arimura: "Preparation of Polylactide Microspheres Having Positively or Negatively Charged Surfaces"Macromol. Biosci.. 3(1). 18-25 (2003)
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[Publications] Y.Ohya, H.Matsunami, T.Ouchi: "Cell Attachment and Growth on Films Prepared from Poly(depsipeptide-co-lactide) Having Various Functional Groups"J. Biomed. Mater. Res.. 65A(1). 79-88 (2003)
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[Publications] Y.Ohya(分担執筆): "Advances in Biomaterials and Drug Delivery Systems"Design of Novel Biodegradable Lactic Acid Copolymers for Biomaterials. 578 (2002)