2001 Fiscal Year Annual Research Report
集積型極微小マルチ電極による網膜神経節細胞受容野機構の解析
Project/Area Number |
13559003
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
臼井 支朗 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40023337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 彰人 豊橋技術科学大学, 未来技術流動研究センター, 研究機関研究員
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30126924)
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Keywords | 集積型微小電極アレイ / 網膜神経節細胞 / 網膜双極細胞 / シナプス終末 / 数理モデル |
Research Abstract |
本年度は、集積型極微小マルチ電極を用いた網膜神経節細胞の光応答計測とその空間情報処理機能解析を目指して主に、神経細胞の微小電位計測のため、電極を改良、その手法を確立していくと同時に、実験結果の計算機シミュレーションによる解析のため、双極細胞-神経節細胞間シナプスについて数理モデル化を行った。以下にそれらの研究の概略を示す。 ・Siプローブ電極の基礎的電気的特性と成長条件を評価した。Siプローブ電極の導電性を制御できる手法の下、直径数ミクロンのプローブの抵抗値としては100Ω以下のものを実現した。実際にこの導電性Si電極をマルチ電極として集積回路上製作を行った。更に生体信号を用いて特性を評価した結果、開発電極は神経細胞の活動電位記録用として十分な性能を有していた。 ・シナプスによる神経細胞間で情報は、伝達物質と呼ばれる物質を介して伝達される。この伝達物質は、細胞内カルシウム濃度上昇で引き起こされるシナプス小胞体の細胞膜への融合によって、前シナプス終末からシナプス間隙に放出される。本研究では、伝達物質放出機構の数理モデルを、双極細胞のシナプス終末を用いた電気生理学的知見を基に構築した。本モデルは、電位パルス幅に対する膜容量(伝達物質放出量)変化に見られる二相性を十分に再現できた。この結果は、本モデルが双極細胞シナプス終末における膜電位から伝達物質放出までの過程を良く表現できていることを示すものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 加藤陶子, 高尾英邦, 澤田和明, 石田 誠: "Si(111)上への微小Si電極を用いた神経電位計測センサの回路設計"平成13年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 346. 164-164 (2001)
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[Publications] M.Ishida, F.Komakine, H.Takao, M.Futagawa, T.Kawano, K.Sawada: "Properties of CMOS on Si(111)for nerve-potential smart sensor with Si probe array"Proceedings of The International Conference on Electrical Engineering 2001. 1580-1583 (2001)
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[Publications] T.Kawano, Y.Kato, M.Futagawa, H.Takao, K.Sawada, M.Ishida: "Fabrication and Properties of Ultra Small Si Wire Arrays by Vapor-Liquid-Solid Growth with Circuits"Digest of Technical Papers of The 11th International Conference on Solid & State Sensors and Actuators. 2. 1066-1069 (2001)
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[Publications] 河野剛士, 加藤陶子, 二川雅登, 谷 良司, 高尾英邦, 澤田和明, 石田誠: "スマート微小Siプローブの神経細胞電位計測による評価"第62回応用物理学会学術講演会. (2001)
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[Publications] 河北友克, 石原彰人, 臼井支朗, 立花政夫: "網膜双極細胞シナプス終末の二相性放出現象を再現するモデル"平成13年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 346. 11-11 (2001)
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[Publications] 石原彰人, 林宏治, 神山斉己, 臼井支朗: "ON型杆体双極細胞の光応答反転電位に関するシミュレーション解析"日本神経回路学会第11回全国大会講演論文集. 233-234 (2001)