2001 Fiscal Year Annual Research Report
広温度域メカニカル・スペクトロスコピー測定システムの開発と応用
Project/Area Number |
13559004
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沼倉 宏 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40189353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克志 京都大学, 工学研究科, 助手 (30236575)
|
Keywords | 擬弾性 / 弾性エネルギー損失 / 強制振動法 / 点欠陥 / 拡散 / 原子ジャンプ / 規則格子合金 / 金属間化合物 |
Research Abstract |
(1)測定装置 装置のプロトタイプをひととおり完成させ、強制振動の振動数範囲は10Hzから10^<-4>Hz、温度範囲は室温から800℃までの測定が可能になった。しかし、弾性エネルギー損失のバツクグラウンドが10^<-3>と高い問題がある。これを低下させるために振動子およびその周辺の構造の改良を検討したが、まだ結論に至っていない。 (2)波形解析方法 強制振動法に加えて共振自由減衰法でも精度の高い測定が行えるようにするために、減衰波形から対数減衰率を求める際にウエーブレット変換を利用して波形解析することを検討した。波形信号の積分強度から計算する方法やフーリエ変換による方法と比較すると、減衰の大きさや信号のがS/N比によって、精度・所要時間に関して一長一短があることがわかり、必ずしも常に優れているとは限らないことがわかってきた。今後、実際の信号を解析し、その結果にもとづいて利用方法を検討する。 (3)実験 L1_2型規則構造をとるA_3B化合物におけるマイノリティー原子(B原子)の応力誘起再配向にもとづく擬弾性緩和効果を測定することを目的として、金属間化合物Ni_3Alおよび同じ構造をとる規則合金Pt_3Feの試料を作製した。この実験では試料の組成が重要なパラメタとなるので、現有の電子プローブ微小分析装置に新しい分光結晶を取り付けて測定精度を向上させ、組成を精密に分析した。次年度はこれらの試料を用いて高温で測定を行い、装置の性能評価を詳細に行う予定である。
|