2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体高分子分析をめざす高分解能多重周回タイプ飛行時間型質量分析計の開発
Project/Area Number |
13559005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石原 盛男 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30294151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 隆一 関西大学, 工学部, 教授 (00127177)
豊田 岐聡 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80283828)
交久瀬 五雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028235)
貫名 義裕 日本電子(株), 基礎研究部, 室長(研究職)
和田 芳直 大阪府立母子保健総合医療センター, 研究所, 所長(研究職) (00250340)
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Keywords | 飛行時間型質量分析計 / 生体高分子 / 多重周回型質量分析計 |
Research Abstract |
今年度は生体高分子の検出に先立ち、多重周回型飛行時間質量分析計の第2号機の開発に取り組んだ。それは昨年度までに装置本体(真空装置、分析電場、イオンミラー等)はすでに製作済みであったが、イオンビームを用いた性能確認の段階までは達していなかったためである。実施した主な内容は、トロイダル電場用電源の整備、電子イオン化法によるイオン源の取り付けとイオンビームの引き出し確認、イオン検出器の性能試験等である。またイオンの周回を制御する電子機器の整備も行った。その結果イオンの周回は200回以上が安定して得られることが確認できた。このことにより第1号機で多数の4重極レンズを用いた光学系でえられた軌道安定性がわずかトロイダル電場4個で構成する第2号機でも達成できることを理論だけでなく実験的にも証明することができた。またそれに伴う質量分解能はC0-N2ダブレットを用いて30,000が確認できた。この分解能は比較的安定してえられており、再現性も確認している。またこの値は当面目標としている生体高分子の測定にも十分な値である。本装置はイオンミラーも備えているが、ミラー用電源の整備も行いミラーの性能確認も行った。以上の結果、当初期待していたイオン光学的性能の確認は終了できた。ただ今年度イオン検出器の飽和による安定同位体比測定の精度悪化を見出したが、これは今後の研究に重大な影響があると考え、検出器の性能確認を急速計画することとし、当初予定していた生体高分子用イオン源の導入は来年度以降とすることとした。現在このイオン検出器の問題に取り組んでいる。
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