2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13571001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井狩 彌介 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40142012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正人 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (50183926)
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Keywords | ヴェーダ文献 / ヤジュル・ヴェーダ / サーマ・ヴェーダ / ヴァードゥーラ派 / ジャイミニーヤ派 / ケーララ州 / タミル・ナードゥ州 / サンスクリット古写本 |
Research Abstract |
1.(現地調査)2004年1月から2月にかけて、藤井とパルポラが共同で南インドのケーララ州とタミルナードゥ州において、現存ヴェーダ伝承とヴェーダ文献写本に関する現地調査を行った。両州において独立して存続するサーマヴェーダ所属ジャイミニーヤ派の二系統の伝承を、それぞれに半月ずつをかけて調査した。ケーララ州では、これまでに調査した家系以外に新たに二家系の所蔵写本約150点のテキストを同定し、暫定的なカタログを作成するとともに約100点の写本撮影を行った。さらに、ケーララ大学写本図書館に保管されているジャイミニーヤ関係の写本を調査し、記録簿にあたって各写本の出処(家系)を確認するとともに、約30点の撮影を行った。タミルナードゥ州では、寺院の記録に記された中部カーヴェリ河畔に点在するジャイミニーや村を探査し、家系、歴史、伝承などに関して聞き取り調査を行うとともに、これまで書き写しからのみ知られていた現存する唯一の音符表記付きサーマヴェーダ歌詠集の原写本を確認し蒐集した。 2.(調査結果の整理・分析)現地調査で蒐集した写本内容と伝承に関する情報を整理・分析して、2003年7月、ヘルシンキで開催された国際サンスクリット学会のヴェーダ部会で、井狩、藤井、パルボラが研究の中間報告を行うとともに、学会の後、同地において本研究参加者全員による調査研究結果の検討を行い、成果を取りまとめるための総括を行った。また、サンスクリット古写本の歴史的変容を探るために、昨年度に引き続いて、写本の分析にもとづいて諸写本の特徴を体系的に呈示する作業を進めた。
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