2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヴェローナの画家一門バディーレ家(14-16世紀)に関する包括的な調査研究
Project/Area Number |
13571004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小佐野 重利 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70177210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京谷 啓徳 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 助教授 (70322063)
諸川 春樹 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40260921)
浦 一章 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90203596)
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Keywords | ヴェローナ / バディーレ / 画家工房 / 聖堂壁画 / 地方美術 |
Research Abstract |
9月4日より9月21日まで、本年度研究実施計画に従い、サン・ピエトロ・マルティレ聖堂、サン・タナスタジア聖堂、サン・ジョヴァンニ・イン・ヴァッレ聖堂、イーラジの教区聖堂、エルベデッロのサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂の壁画、およびヴェローナ市立美術館と2つのプライヴェート・コレクションの板絵作品の調査・写真撮影を行なった。目下、それぞれ200枚余のカラー・ポジ、白黒ネガフィルムおよび35ミリ・スライドの整理を行なっている。と同時に、調査に参加した分担者諸川春樹によって撮影されたデジタル画像の編集作業が行なわれており、壁画調査の経過を記録した貴重な資料となるはずである。本年度調査から得られた新知見は、まだ十分に検討されていないため、確定的なことはいえないものの、若干の成果・新知見があった。 ひとつは、研究代表者と分担者浦一章がヴェローナ国立古文書館の、特にテスタメンテイ(遺言書類文書)の調査から、研究課題の画家一門バディーレ家代々の構成メンバーについて若干の新知見と思われる文書を確認し、目下、当該分担者により検討が行なわれている。もうひとつは、ふたつのヴェローナ市内の個人コレクションにある、ほとんど新出作品というべき板絵作品を実見し、15世紀前半のバディーレ家周辺での作品であることを確認したことである。これらの新知見については、次年度の研究実施計画の範囲で2002年秋に行なう予定のイタリア人研究者を含めた研究発表会において中間報告を行なうつもりでいる。
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