2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国陝西省北宋時代石窟造像の調査研究-子長県鐘山石窟を中心として-
Project/Area Number |
13571005
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
岡田 健 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, 室長 (40194352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加島 勝 東京国立博物館, 学芸部, 室長 (80214295)
津田 徹英 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 研究員 (00321555)
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Keywords | 陝西 / 北宋時代 / 石窟 / 仏教美術 / 子長 / 鐘山 / 三世仏 / 文化財保存 |
Research Abstract |
本調査研究は、中国陳西省に所在する北宋時代に開かれた石窟寺院の仏教彫刻について、美術史および考古学の方法から現地調査とそれにもとづく研究をおこない、北辺の守りの地に展開したこの仏像様式を理解するとともに、同時代(10〜12世紀)の中国各地の仏像様式との比較検討をすすめ、北宋仏像様式全般への展望を示すことを目的としている。 1.現地調査 10月20日〜10月28日の日程で中国へ赴き、中国側共同研究者の西北大学文博学院王建新、陳西考古研究所張建林、さらに今回の研究協力者として京都大学文学部根立研介、青山学院大学博士課程萩原哉、西安文物保護修復センター張在明、延安地区文物研究所姫乃軍、同袁継民の各氏とともに、陜西省子長県所在の北宋時代石窟寺院、鐘山石窟について調査を実施した。第1年目の本年は、主要3窟について、現存作品の彫刻史的調査を開始し、1067年の年記がある第3窟については、三世仏を安置する仏壇上と、左右の壁面について、概略の調査を終えた。同時に陜西考古研究所の専門技術者の協力を得て、同窟の平面図、立面図の作成、および窟内銘文の拓本作成について着手し、その半分の作業を完成した。風化の甚だしい第1、2窟については、写真撮影で概略を記録するにとどめた。来年度の調査において、上記調査を継続し、完成させる目途を立てた。 2.資料の整理 (1)調査ノートを整理し、(2)35mmネガカラー写真837枚を整理して全てをデジタル画像化して日中双方の調査参加者に配布し、(3)陜西省及び四川省に所在する北宋時代石窟寺院に関する文献資料90件を収集した。 3.中国側研究分担者の招聘 第1年次は平成11年1月15日から1月26日の日程で陳西省考古研究所張建林、西安文物保護修復センター張在明氏を日本へ招聘し、関連資料を調査するとともに、1月23日に東京文化財研究所において陳西省の文化財保存に関する研究会を開催して、美術史研究、文化財保存の専門家との交流をはかった。
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